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3-2. LC-NMRで使用する溶媒 |
3-2-1. 重溶媒を使用するコスト問題 |
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溶媒消去法の進歩によって、使用できる溶媒の制限はきわめて少なくなりました。しかしながら重水素化溶媒の使用が感度向上につながる事実は否定できませんし 3-1-2. で紹介した理由によっても重溶媒を使用しなければならないこともあります。NMR ロック用として考えた場合には全体の数 % の重水素化溶媒を使用すればロックをかけることが可能ですのでコストも抑えられます。 しかし、きわめて微量なサンプルを測定する場合、または溶媒の NMR 信号付近に観測したい信号がある場合は移動相をすべて重水素化溶媒にしなければ情報が得られないことがあります。この時の問題は重溶媒のコストです。近頃では LC-NMR 用として重水素化溶媒をリッター単位で比較的安価に入手できるようになっているものの、実用的な溶媒は重水や重クロロホルムです。セミミクロ対応の HPLC では重水素化溶媒の消費量を低減することができますので重アセトニトリル、重メタノールを使用することも状況によっては無理ではないと思われます。 いずれにしても測定条件と目的に合わせて重水素化溶媒をどのように使用するかということを実験前に考慮することが重要です。 |
3-2-2. 移動相の選択 |
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3-1-2 で触れましたが溶媒消去をすることによる影響を考慮して移動相の選択をする必要があります。HPLC の逆相系では水―アセトニトリル、水―メタノールが溶媒として使用されることが多いと思います。それぞれの溶媒信号の数は 2 本と 3 本です。NMR のハード的には溶媒消去の数の制限はありませんが、消去する溶媒信号の数が多ければ多いほど NMR の情報が少なくなります。 従って、ヘキサンや酢酸エチルなど信号が複数でカップリングしているような信号を有する溶媒は LC-NMR 測定には適当ではありません。それと同じ理由で、使用する緩衝液も考慮する必要があります。TFA やリン酸などは使用可能ですが、エチレンジアミン四酢酸やトリエチルアミンなどプロトン信号が複数検出される溶媒は可能ならば避けた方がよいです。 |
3-2-3.溶媒の不純物問題 |
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HPLC で使用される溶媒は一般的に液体クロマトグラフ用ですが、LC-NMR では使用する軽溶媒の不純物に注意してください。液体クロマトグラフ用はご存知のとおりUV不活性なものがないという基準で販売されているものです。保証されている純度は約 99.7〜99.8 % です。不純物としては水や酸などが主ですが、クロロホルムはエタノールが含まれていることがあります。 このような既知の不純物は不純物として認知することができますが、溶媒に微量に含まれている不純物、またはカラムや HPLC、容器などからの不純物は微量な成分を測定したスペクトルで問題になります。つまり、成分の信号か不純物の信号かを見極めるのが難しくなります。微量成分、目安として数 100ng 以下の場合は注意が必要です。 |
3-2-4.溶媒置換の問題 |
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HPLC では様々な溶媒を使用します。例えば逆相系でよく使用される溶媒としてメタノールやアセトニトリルがありますが、これらの溶媒は使用後 LC をよく洗浄しても NMR スペクトルにバックグラウンドとして検出されることがあります。おそらく LC や使用しているチューブに吸着してしまうものと思われますが、NMR スペクトルの解析上、非常に紛らわしい信号になります。また、カラムの溶媒置換についても注意すべき点があります。水を使用した後に重水に置換してもカラムの重水素化置換にはかなりの時間と溶媒が必要です。このような理由からカラムは溶媒系で使い分けることをお薦めします。 HPLC 内の溶媒を完全に除去するためには、窒素ガスを通して乾燥することが考えられますが、実用的とはいえません。置換する際には置換時間を長めにとり、測定前に溶媒の NMR 測定を行って置換できていることを確認します。この時、溶媒消去をして確認してください。 |
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