使ってみようESRシリーズ IV ESR条件調整法 ステップ1 測定磁場の決定

  • 概要

ER060007

ESRで測定できる試料は大変広範囲に亘ります。けれども、実際にそれぞれの試料を測定する場合、具体的にどのようにすれば情報が得られるのか、分からないケースがあるでしょう。本シリーズでは、ESRの測定フローと各ステップで注意すべきことをご紹介します。4回目はESR条件の調整のうち測定磁場の設定法です。

ESR測定条件調節法

基本的なESRの条件設定は、次のステップを順に追って決定していきます。
ステップ1. 測定磁場の設定
ステップ2. マイクロ波パワーを決定する
ステップ3. 変調磁場幅を決定する
ステップ4. 掃引速度と時定数を設定する

 

ステップ1. 測定磁場の設定
暫定的に磁場設定を次のように仮設定します

  • 試料が、有機ラジカルあるいはN, O, Si等の場合
    335±10 mT(共鳴周波数;9.4GHz付近)ただし、温度可変装置のようなアタッチメントを使用する場合は320±10mT (共鳴周波数;9.1GHz付近)
    中心磁場付近のg値が2.003 になる磁場です。
    FAシリーズでは、測定画面にマウスポインターを置くとその位置のg値を表示できるので磁場設定が簡単です。
  • 金属錯体の場合
    300±250mT

次にその他の条件をを暫定的に次のように設定します。

  • マイクロ波パワー:1mW、掃引時間:30秒、時定数:0.03秒、
    変調磁場:0.05mT、増幅率:2000
  • マイクロ波パワー:1mW、掃引時間:1分、時定数:0.03秒、
    変調磁場:0.1mT、増幅率:3000

掃引を開始し、信号の出る磁場を確認します。

  1. 信号が出た場合は、全ての信号が検出されるように中心磁場および掃引幅を変更します。信号が見やすいように増幅率を変更します。一度掃引して確認します。
    →アプリケーションノートER-06008 ステップ2 マイクロ波パワーの決定に移ります。
  2. 信号が全く出なかった場合は、条件を次のように変更します。
    マイクロ波パワー:4mW、変調磁場:0.2mT、増幅率:5000
    この条件で信号が出れば、1.に従い条件を変更します

    信号が出なければ、更に下記を検討してください。

    • 装置の確認をしてください(マグネット電源、磁場変調コイルの接続)
    • Q-Dip (マイクロ波調整)を確認し、必要に応じて再調整する。
    • サンプリング量を増やす
    • 測定温度を下げる
    • 脱酸素処理をする
    • 光照射、加熱等のラジカル生成処理法を検討する
    • その他、ラジカルが生成していると考えられる試料独自の条件

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