• 概要

ER060001

活性酸素の有害性が注目されていますが、健康に関心が集まる現代、簡単に抗酸化性を評価できるElectron spin Resonance(ESR:電子スピン共鳴)法は、既に多くの分野で抗酸化性研究に活用されています。本JES-FR30EXは水溶液試料の抗酸化性評価に特化した、操作が簡単なESR装置です。
ESRは不対電子(ラジカル)を検出できる唯一の分析法です。非常に選択性が高いため、他の分析法のような前処理は不要です。
ここでは、JES-FR30EXとそのアプリケーション例をご紹介します。

ESRを用いた抗酸化性評価では、消去すべきラジカルを直接観測できるため、他法でみられるような妨害反応の影響を受けることなく評価を行うことができます。極めて短寿命である活性酸素を測定するためには、スピントラップ剤を用いて安定化することが必要です。スピントラップ剤として最もよく使用されるのは図1に示したDMPOです。hydroxyl radical(HO)や superoxide anion radical(O2・-)等の活性酸素の測定によく用いられます。

スピントラップ剤DMPO とアダクト形成反応

図1 スピントラップ剤DMPOとアダクト形成反応
JES-FR30EX
JES-FR30EX

こうした活性酸素の消去能を評価するためには、それぞれの活性酸素を一定量生成させ、ここに被検物質が共存した場合に競合反応した結果得られる付加体(アダクト)の量を定量します。アダクト量が少ないほど、抗酸化性が強いといえます。DMPOおよび試料あるいは標準物質、各ラジカル生成試薬等を混合し図2に示した水溶液セルに移し、装置にセットして測定を行います。



図2 水溶液セル
先端のキャップを取り、吸引ポンプで混合した
試料を吸い上げ、キャップをした後に装置に
セットします。

水溶液セル
 

JES-FR30EXは、水溶液セルを用いた測定に特化した装置で、通常のESR測定に必要なマイクロ波の調整がほとんど不要なため簡単に測定を行うことができます。各活性酸素のアダクトを測定するESR条件も、装置に登録してあるため条件設定も簡単です。
O2・-の消去酵素として知られているsuperoxide dismutase(SOD)を、DMPO-O2-生成系に]添加した場合のESRスペクトルを図3に示しました。SODの添加量が増加するほど、アダクトの強度は小さくなりました。こうしたアダクトの信号強度のSOD量依存性から検量線を作成しました。ここでは縦軸を直線変換してプロットしました。(詳細は弊社アプリケーションノートER-040004をご覧ください)この検量線から、目的とする試料の抗酸化性を定量値として求めることができます。
1回の測定の所要時間は2~4分と短いため、効率の良い評価を行うことができます。

DMPO-O2-スペクトルのSOD 添加による変化と検量線
図3 DMPO-O2-スペクトルのSOD添加による変化と検量線

健康に対する機能性に関心が集まっている赤ワイン(オースチラリア産)バルサミコ酢(イタリア産)、香酢(中国産)のO2・-に対する抗酸化性を評価して図4に示しました。定量値は、検量線作成に使用したSOD換算値で表しています。いずれの試料も多くの成分を含んでおり、各成分の抗酸化性はそれぞれ異なると考えられますが、ここでは トータルの抗酸化性として評価しました。

食品のO2・-に対する抗酸化性の比較
図4 食品のO2・-に対する抗酸化性の比較

抗酸化性の研究需要は今後ますます広まるものと予想されます。抗酸化性研究を計画されているお客様は、ぜひJES-FR30EXの導入をご検討いただきたいと思います。

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