• 概要

ER070003

生体内の酸化ストレス評価に、しばしば血清(血漿)試料の抗酸化能測定が行われます。Superoxide anion radical(O2・-)は生体内での酸化ストレス原因物質として最も重要視されている化学種の一つで、消去能評価にいくつかの測定法が知られています。その中でもESRを用いたスピントラップ法はESRの高い選択性に基づきO2・- のみを検出するため、共存成分の影響を受けにくい優れた方法です。
血清(血漿)試料のO2・- 消去能を測定する際、cytochromeC法のような吸光度を測定する方法では、溶血試料で評価が困難であることは知られていますが、それ以外にも共存物質の影響を受ける測定法があり注意が必要です。ここではニトロブルーテトラゾリウム(NBT)法との比較例を示しました。
NBTは酸性条件下でO2・- により還元され、ホルマザンとなります。試料がO2・- 消去能を持つ場合、ホルマザン生成(560nmの吸収増加)が抑制されることから、試料の抗酸化能を評価できます。

下図は、糖尿病患者血清のO2・- 消去能をESR法NBT法で評価した結果です。(ESR法の詳細は弊社アプリケーションノートER-070002をご参照ください) いずれもスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を標準物質として検量線を作成し定量化しました。図から明らかなように、両法の結果には大きな差が認められました。これら試料中のCu,Zn-SODおよびMn-SOD量を酵素免疫測定法で定量したところ、SODとしての総量は最大でも2.5 unit/ml でした。すなわちNBT法では、試料によってはこのように、抗酸化能が過大評価される可能性が示されました。

糖尿病患者血清中O2・- 消去活性の測定法による差異

NBT法は、このように共存成分により大きな影響を受ける場合がありますので、O2・- に選択性の高いESR法での評価が信頼性のあるデータを与えると考えられます。

参考文献

中井, 太田, 櫻林, 青山, 鎌田, 磁気共鳴と医学 vol9, 56-59, 日本医学館(1998)

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