• 概要

NM090009

NMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)は有機化合物の構造解析を行う代表的な分析法としてよく知られていますが、分子を構成している原子(核スピン)を直接観測しているので原理的に定量性を持ち、定量分析にも利用されています。
定量NMRは最近、qNMRと呼ばれ報告されていますが、その主な用途としては高分子を対象とした組成分析や末端基定量、そして低分子を対象とした濃度や純度分析です。具体的な定量分析方法は目的に応じて種々の方法が報告されていますが、ここでは低分子化合物を対象とした1H-NMRによる内部標準法をご紹介します。この定量分析法の特徴は測定対象物質と同じ標準品を必要としないことです。

qNMR : 1H-NMRによる内部標準法の原理

具体的にはNMRスペクトル上の内標準物質と測定対象物質由来の信号の積分値を比較することで分析を行います。2つの信号が異なる化合物(A,B)に由来する場合、個々の信号強度(積分)と化合物の濃度は式1で表されます。従って、一方の化合物に純度が既知である内標準物質(std)を利用し厳密に試料調製を実現すれば、式2より測定対象物質(sample)の純度を算出することが可能です。

qNMR : 1H-NMRによる内部標準法の原理

内標準物質について

図1は内標準物質としてビストリメチルシリルベンゼン(1,4-BTMSB-d4)を利用したフタル酸ジエチル(DEP)の定量分析を行う為の1H-NMRスペクトルです。
内標準物質を選ぶ大きなポイントは 1)測定対象物質とNMR信号が重ならないこと、2)純度が既知であることです。以上の点からNMR信号が0ppm付近に検出され、国際単位系(SI)にトレーサブルな純度が付与された1,4-BTMSB-d4標準物質(和光純薬工業社製)を選んでいます。


図1. DEPと1,4-BTMSB-d4の H-NMRスペクトル (装置JNM-ECS400)

※ 厳密な試料調製を行うためには精秤が必要です。

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