• 概要

ER160006

光硬化樹脂は、塗料や電気・電子材料など様々な分野にて用いられています。光が光硬化樹脂に照射されると光重合開始剤により重合反応が開始され、硬化が促進されます。今回は、光(UV)が光硬化樹脂に照射された際の反応を室温にて観測しました。
測定にはESR装置(JES-X3 series)と紫外線照射装置(ES-USH500)を使用して観測しました。観測されたESR信号のg値と分裂パターンからメタクリル酸メチルに由来するラジカルであることがわかります(アプリケーションノート ER090002 を参照)。図2は、光硬化パテにUV照射したときのESR信号強度の変化の様子です。図3は、信号強度A(図2)を縦軸に、横軸に光照射時間を示しました。図より、試料にUVを照射をすると、約40秒程度でESR信号が観測され、約20分後には信号強度が一定レベルに達することがわかります。つまり、ESR信号強度からUV照射によるラジカルの生成をin situで把握できます。あわせてUV光の波長や強度を変化させて、重合反応をモニタリングすることも可能です。

図1.UV照射前後の試料
図1.UV照射前後の試料
図2.UV照射して観測されたESR信号
図2.UV照射して観測されたESR信号
 
図3.UV照射によるESR信号強度の変化
図3.UV照射によるESR信号強度の変化

図4は、UV照射後にESR信号のピークトップに磁場を固定して、ESR信号の減衰を3日間観測した結果です。このような実験を行うことにより、発生したラジカルの寿命や信号の再結合反応速度の評価をすることが可能です。
図4.ESR信号強度の減衰
図4.ESR信号強度の減衰

ESRで、わかること
  • ラジカルの種類や構造
  • ラジカルの生成速度
  • 信号の再結合反応速度の評価
  • 発生したラジカルの寿命

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