• 概要

ER180002

ダイオードのEDMR信号強度の電圧依存性を示します。電圧印加によりEDMR強度は徐々に増加しますが、ある電圧を境に減少に転じます。極大までの信号増加プロセスはスピン依存の再結合電流が支配的であるのに対し、それ以上では拡散電流が支配的になることを示しています。

ダイオードの電圧依存性

ダイオードは整流作用を持つ電子素子であり、その特徴は以下にまとめられます。

  • 電気の流れを整える:交流から直流への交換や逆流を防ぐ
  • 電圧を一定にする :電源電圧の基準とされたり、過電圧から回路を保護する
  • 信号を検波する:ラジオなどの無線信号から音声信号を取り出す

今回は、ダイオードの電圧依存性を EDMR 法にて測定しました。 図 1 は電圧を横軸に、EDMR 強度を縦軸に示しました。図より、 ダイオードにかける電圧を上げるとEDMR 強度は徐々に大きくなり、0.4 V 付近で極大を示しました。 この結果は、極大を示す0.4 V 付近まではスピンに依存した再結合電流が支配的であり、それ以上の電圧では拡散電流が支配的になることを示しています[1]
再結合電流の流れやすさは、半導体素子の性能を左右する非常に重要な特性とされ、ダイオードのスイッチングスピードや耐圧性能、あるいは DRAM のリフレッシュ時間にも関係しています。 このように再結合電流は半導体素子の性能に直結する指標を与えると言えます。半導体素子の製造過程で重金属を拡散させて電子スピンを増やす等の工夫をすることで再結合電流の流れやすさを制御することも可能です。 再結合電流の流れやすさは、電子素子により異なり、また同素子であっても環境変化により変動します。
EDMR の原理と測定についてはアプリケーションノート ER170006 ER170007 ER170008 ER170009 をご参照ください。

整流ダイオードに順方向の電圧を印加した時の電圧と EDMR 強度の変化

図1. 整流ダイオードに順方向の電圧を印加した時の電圧と EDMR 強度の変化

参考文献

[1] Y. Kamigaki, T. Miyazaki, N. Yoshihiro, K. Watanabe, and K. Yokogawa (1998): Two signals in electrically detected magnetic resonance of platinum-doped silicon p–n junctions. Journal of Applied Physics 84, 2193, doi: http://dx.doi.org/10.1063/1.368359.

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