• 概要

ER190006

強磁性体のESRである強磁性共鳴(FMR)スペクトルは、静磁場のかかる方向により、共鳴磁場が著しく変化するという特徴をもつ。これは、試料の形状異方性や、磁化の異方性効果に伴う反磁場項の影響による。
FMRの角度回転測定を行うと、飽和磁化(4πMS)など、磁性体に関する物性情報を得ることができるだけでなく、逆スピンホール効果の角度依存を調べる手がかりとなる。

試料と方法

アプリケーションノート[1]にて使用したのと同じ、NiFe合金(Py)とPdの2層膜を試料として、Pd箔両端の電圧と強磁性共鳴(FMR)スペクトルを角度回転装置(図1:ES-UCR3X)を用いて15度ステップで同時測定した。

図1 ES-UCR3X(角度回転装置)

FMRスペクトルの角度依存性

FMRの角度回転実験の結果と式(2)により、この試料の飽和磁化4πM= 0.344T, (ω/γ)= 0.32 Tを見積もることができた。さらに、FMRにおける平衡条件式(1)を用いると、θHθMの関係を図2(b)に示すように計算することが可能となる[2,3]。

1829_01_01

得られた4つのパラメーターを共鳴条件式(2)に代入することによって、共鳴磁場を計算することができる[2,3]。図2(a)に示すシミュレーション結果は、実測値をよく再限できている。

図2 Py/Pd金属2層薄膜のFMRスペクトル角度依存性の解析例

参考文献

[1] JEOL RESONANCE Inc. Application note No. ER190002
[2] K. Ando, Y. Kajiwara, S. Takahashi, S. Maekawa, K. Takemoto, M. Takatsu, and E. Saitoh, Phys. Rev. B, 78(2008) , 014413.
[3] K. Ando, S. Takahashi, J. Ieda, Y. Kajiwara, H. Nakayama, T. Yoshino, K. Harii, Y. Fujikawa, M. Matsuo, S. Maekawa, and E. Saitoh, J. Appl. Phys. 109(2011), 103913 .

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