• 概要

ER1900010

電流値とスピン量

試料は、下記試薬を混合して作成しました。

ラジカル剤: p-Benzoquinone (C6H4O2)                  1 mM  
支持電解質 : テトラプロピルアンモニウムブロミド 100 mM  
溶媒 : ジメチルホルムアミド  
                   
図1. 実験の概略図

図1. 実験の概略図


図1のように電解セル(ES-EL30)を設置し、試料に電圧を印加すると、電解がはじまると電流が観測されます。印加電圧が高いほど電解中の電流値は高くなる傾向が認められました。
電流の発生で、ラジカル剤が電子を受け取りラジカル化しますので、計測された電流値から生成したラジカル量(スピン濃度)を見積もることができます。1A=1C/s から、1Aの電流は 1 秒間に、1.04×10-5 molのラジカルを発生させることができます。今回用いた電解セル(ES-EL30)では、500μLの試料を用いて電解を行っているため、例えば0.15mAの電流が流れたとすると、

1.04×10-5 ×0.15×10-3 / (500×10-6) = 3.1×10-6 mol/L  (1)

のラジカルが毎秒発生していることを示します。

図2は、試料へ1V印加したときの電解時間を横軸に、その時のスピン濃度を縦軸に示しています。青色は電流値から算定される電子の量を示しています(式(1)から算出)。赤色は観測された ESR 信号の面積から算出された p-Benzoquinone アニオンラジカルのスピン濃度を示しています。スピン濃度の計算には、試料と同じ溶媒で10-4 Mに調整したTEMPOLを用いました。電解反応初期には、両者はほぼ一致していることがわかります。一方、ESR信号から計算したスピン濃度は、時間が経つにつれて青色の値から乖離していく様子が確認されました。これは、生成したp-Benzoquinone アニオンラジカルの一部が消失したためと考えられます。
図 2. 電解時間によるスピン濃度の変化
図2. 電解時間によるスピン濃度の変化

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