• 概要

SM2021-03

近年、蛍光色素や蛍光タンパク質を用いて、様々な生体現象や生体物質の局在について、光学顕微鏡によって観察されています。CLEM観察とは光学顕微鏡と電子顕微鏡で同じ試料を観察し、これらの観察像を重ねわせることによって、それぞれの装置で得られた情報を統合する方法です。そのため、この画像の重ね合わせには非常に高い精度が求められます。しかしながら、光学顕微鏡で観察される蛍光色素や蛍光タンパク質は電子顕微鏡観察のための試料処理(固定、脱水、樹脂包埋など)でその蛍光が失われるため、光学顕微鏡観察と電子顕微鏡観察は異なる条件で行わなければなりませんでした。
CLEM-Red*1 はグルタールアルデヒドや四酸化オスミウムによる固定後、蛍光復活剤(TUK solution*2)で処理することによって蛍光が復活し、樹脂包埋後も蛍光を維持する蛍光タンパク質です。このCLEM-Redと蛍光復活剤を用いることで、樹脂包埋後の超薄切片でも蛍光顕微鏡観察をすることができ、精度の高いCLEM観察が可能です。

プロトコール

プロトコール

*1,2 CLEM-Red, TUK solutionは富士フイルム和光純薬株式会社の製品です。

観察結果

細胞内の不要となったオルガネラやタンパク質を膜状の構造で囲むことで分解する現象をオートファジーと呼びます。このオートファジーにおいて、不要物を囲う膜状の構造はオートファゴソームといい、p62タンパク質はこのオートファゴソームの形成に関与することが示唆されています。培養細胞であるHeLa細胞にp62とCLEM-Redの融合タンパク質を過剰発現させたものをin Resin CLEM観察を行いました。
その結果、CLEM-red-p62融合タンパク質は細胞の油滴上構造に局在し、その隣接した領域ではオートファゴソームが形成されていることが観察できました。

CLEM-Red-p62
SEM image
Merge
2 um

試料: Hela Cell, pCLEM-Red-p62
共焦点顕微鏡: A1 (Nikon)
走査電子顕微鏡: JSM-7900F (JEOL)

試料提供
順天堂大学 谷田 以誠 先生
      内山 安男 先生

Reference

Tanida I, Haruta T, Suga M, Takei S, Takebe A, Furuta Y, Yamaguchi J, Oliva
Trejo JA, Kakuta S, Uchiyama Y. Membranous Structures Directly Come in Contact
With p62/SQSTM1 Bodies.
J Histochem Cytochem. 2021 Jun;69(6):407-414.

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