• 概要

EBSD(Electron Backscatter Diffraction Pattern)は、材料の局所的な結晶方位を分析する手段として、走査電子顕微鏡(SEM)との組み合わせで急速に普及してきています。*EBSP と略すこともあります。この EBSD を超高真空の走査電子顕微鏡(UHV-SEM)と組み合わせることでより有効に結晶方位を観察できるようになりました。
EBSD(Electron Backscatter Diffraction Pattern)は、材料の局所的な結晶方位を分析する手段として、走査電子顕微鏡(SEM)との組み合わせで急速に普及してきています。*EBSP と略すこともあります。この EBSD を超高真空の走査電子顕微鏡(UHV-SEM)と組み合わせることでより有効に結晶方位を観察できるようになりました。
EBSD の測定深さは 50nm 程度であると言われています。これを表面分析法や EPMA/EDS と比較したのが下表です。

表面分析法
(AES,XPSなど)
EBSD EPMA,EDS
測定深さ(nm) 5 50 1000
コンタミの影響
試料室の必要真空度
超高真空が必要
~10-8Pa
高真空が望ましい
~10-7Pa
通常真空でよい
10-6~10-5Pa

EBSD は測定深さの点からみると、表面分析に近い手法であると言えます。従って、試料面にコンタミネーションが多量に発生すると回折パターンが劣化し、EBSD 像で結晶粒の境界が明確でなくなります。

コンタミネーションは、観察倍率が高いほど顕著になってきます。照射電子線の電流密度が上昇してくるためです。また、マグネシウム合金、希土類金属、ポリシリコン膜などの化学的に活性な材料では、コンタミネーションの影響が特に著しく現れます。


オージェ電子分光装置 JAMP-9500F および JAMP-7800 シリーズは、その基本的な部分は UHV-SEM であり、かつ試料室や電子銃室は 10-8Pa 台の超高真空です。また、付属するイオンエッチング装置によって、試料面に最初から付着しているコンタミネーションを取り除くこともできます。

そこで、これに EBSD を取り付ければ、コンタミネーションの影響を回避できて、どのようなサンプルでも高倍率での EBSD 像が得られると期待できます。
さらに、オージェ分析も併用することによって、結晶粒界部の元素分布を把握することも可能となり、総合的な分析手法へと拡張していくことができます。

今回このような要求に応えるために、JAMP-7800 シリーズ用に設計した試料室の外観を図 1 に、断面を図 2 に示します。
この試料室の特長は、図 2 にあるように、オージェ分析用分光器とEBSD検出器の両方が、試料ステージが傾斜する方向に取り付けられていることです。このような配置では、試料ステージの傾斜角度を変更するだけで(オージェ分析では傾斜角度 30 度程度、EBSD では 70 度程度)、分析しようとしている視野と同じ場所に固定したままで、オージェ分析と EBSD 分析を行うことができます。


図 1 EBSD 用ポートの付いた試料室の外観写真


図 2 EBSD 用ポートの付いた試料室の断面図

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