汎用試薬で専用試薬のような運用を実現 ~「JCA-BM6010 G 自動分析装置 BioMajesty™ 」を導入~

みゆき会病院

みゆき会病院は、1989年6月「蔵王みゆき病院」 (95床) として山形県上山市に開設しました。2006年には病院機能評価認定を取得。医療施設2施設、介護施設3施設を要する社会医療法人「みゆき会」の中核施設として、専門的医療と地域のニーズに高齢者・各世代へトータルケアサービスを提供しています。
検査科では5名のスタッフで検体検査と生理検査 (心電図、ホルター心電図、負荷心電図、肺機能、超音波、筋電図) を行っています。また、みゆき会病院では椎体形成術をはじめとする脊椎手術症例を数多く手掛けており、検査科では脊椎手術中の神経障害を早期に発見し術後の神経麻痺を予防するための「術中脊椎モニタリング検査」も支援。術前検討会への参加や術中手術室でのモニター確認等チーム医療にも関わっています。
今回は他社自動分析装置からJCA-BM6010 Gを導入頂いた経緯と導入後の運用について、関 由美子 科長、相間 知恵子 主任にお話を伺いました。

BM導入経緯

今回の導入経緯について、次のように語っていただきました。
「前機種では分析装置メーカーが提供する専用試薬で運用していました。ルーチン~メンテナンスまで手間が掛からないのが特徴です。検体測定はワンタッチ、試薬補充も専用カートリッジで指定のポジションに架設すれば自動で補充してくれます。メンテナンスもそれほど多くありません。しかし院内測定検体数がこの2~3年で倍増しました。すると専用試薬の測定回数では間に合わずルーチン中に試薬を補充する頻度が増加しました。当検査科は限られた人数で検体検査から生理検査まで幅広く行っていますので、試薬補充を気にしながらの業務を何とか改善したいと思っていました」。

しかし、課題もあったようです。
「SDを厳しく設定していたからかもしれませんが、年数を重ねるにつれキャリブレーションの頻度が増え、精度管理に費やす手間とコストがかかるようになりました。また、専用試薬では原因検証したい場合、他の試薬が無いため検討方法がなく『どうしようもない、しょうがない』と諦めざるを得ませんでした」。

このようななか、更新時期を迎えます。
「検査中に試薬補充が可能で交換頻度も少なくしたい。スタッフ全員が検体検査に関わる当検査科では、分析装置を更新しても運用があまり変わらないことが機種選定の最大ポイントでした。当検査科は夜間当番者による24時間運用を行っていますので、当番者が病院到着後すぐ検体検査に取りかかれる装置を求めていました。限られたスペースで設置したい。各方面からお話を伺いましたが、私たちの希望を的確に実現へ近づけて頂いたのが日本電子でした」。

汎用試薬で専用試薬のような運用

JCA-BM6010 G 測定項目と採用試薬容器
検査項目 R1 R2
AST 40 mL ボトル 40 mL ボトル
ALT 40 mL ボトル 40 mL ボトル
ALP-IFCC 40 mL ボトル 40 mL ボトル
γ-GTP 40 mL ボトル 40 mL ボトル
LD-IFCC 40 mL ボトル 40 mL ボトル
CK 40 mL ボトル 40 mL ボトル
CKMB 20 mL ボトル 20 mL ボトル
ChE 20 mL ボトル 20 mL ボトル
HDL-C 40 mL ボトル 40 mL ボトル
LDL-C 40 mL ボトル 40 mL ボトル
T-CHO 40 mL ボトル 40 mL ボトル
TG 40 mL ボトル 40 mL ボトル
UA 40 mL ボトル 40 mL ボトル
BUN 40 mL ボトル 40 mL ボトル
CRE 40 mL ボトル 40 mL ボトル
Glu 40 mL ボトル 40 mL ボトル
TP 20 mL ボトル 20 mL ボトル
ALB 20 mL ボトル 20 mL ボトル
Ca 20 mL ボトル 20 mL ボトル
IP 20 mL ボトル 20 mL ボトル
Fe 20 mL ボトル 20 mL ボトル
AMY 20 mL ボトル 20 mL ボトル
T-Bil 40 mL ボトル 20 mL ボトル
D-Bil 40 mL ボトル 20 mL ボトル
NH3 20 mL ボトル 20 mL ボトル
CRP 40 mL ボトル 40 mL ボトル
フェリチン 20 mL ボトル 20 mL ボトル
RPR 20 mL ボトル 20 mL ボトル
みゆき会病院

汎用試薬は数あるラインナップから、包装・測定方法含めお客様の希望にあう製品が選択可能です。現在検査科では汎用試薬による装置・試薬一体となった運用が行われています。

試薬運用

JCA-BM6010 Gによる試薬運用について、教えていただきました。
「当検査科では、R1/R2が同時消費・同時交換する設定にて試薬運用をしています。日本電子推奨の試薬による運用は、R1とR2が分かれている汎用試薬でも、R1/R2ともに同テスト数でほぼピッタリ無くなります。最初は汎用試薬が同時消費するとは想像つきませんでした。また、依頼数に応じた各項目の試薬ボトルのサイズも提案していただきました。主は40 mL ボトル容器ですが、依頼数が少ない項目は20 mL ボトルを採用しています。各項目毎の依頼数ごとにボトルサイズを考慮することで、短期間で消費できるようにしています。専用試薬により運用していた時と比べると、汎用試薬でも試薬運用はほぼ同じです。また、専用試薬による試薬補充は簡単ですが、朝に新しい試薬をセットしても、主要項目では当日中に試薬切れを起こしてしまうこともありました。限られた人数の当検査科では試薬切れを気にしながらの業務は負担に感じていましたが、ボトル当たりのテスト数が増えた現在は試薬残量を確認する手間が減りました。試薬残量が少ない主要項目はあらかじめ次試薬をセットしておけば、残量ゼロの時点で自動的に次の試薬に渡ります」。
さらに、40 mL ボトルを主として使用することで試薬架設数を確保することができたためポジションに余裕ができ、従来用手法で行っていた梅毒RPRと外注測定していたフェリチンを、JCA-BM6010 Gにて測定することになりました。

試薬交換

R1/R2同時消費により、試薬交換も前機種と同じ運用で行われています。
「R1とR2が分かれている汎用試薬ですが、R1/R2はほぼ同時に無くなるためR1/R2を同時交換しています。前機種ではR1/R2が一体包装となっていましたが、運用していくと在庫管理も含めR1/R2一体試薬とあまり変わらない印象です。キット当たりのテスト数が増えたことにより、試薬残量を確認する手間も交換頻度も減りました。現在は試薬交換前日に次試薬をセットし、空ボトルはルーチン業務後に抜き取る運用をしています。試薬交換の回数が大幅に減りました。同時消費によりコストも気になるところですが、QCの数量、回数、再検数のいずれも減ったため、QCに要するコストは下がりました。導入してまだ日が浅いため試薬を含めたランニングコストの検討はこれからですが、現時点では想定の範囲内に収まっている感触であり、前機種と比較しランニングコストは下がっています」。

キャリブレーションの負担軽減

この試薬運用提案には、さらなる効果を生みました。
「依頼数に応じたボトルサイズ選択をしたことで、劣化前に試薬を可能な限り使い切り、再び新しいボトルを使用することができます。劣化が早い試薬には特に有効です。さらに状態の良い試薬を使用することでフルキャリブレーションの頻度が減少し、負担軽減できました。現在は主にロット変更時のみフルキャリブレーションを行う運用にしています。ロット変更がなければ、ボトル変更後のフルキャリブレーションを測定しなくても、精度管理が外れることは今のところありません。内部精度管理もサーベイも良好です。前機種で凍結乾燥品が多かったキャリブレーターは、汎用試薬では液状品が増えたことで、準備の手間が減りました。今考えると『キャルが楽だな』と思います」。

専用試薬のような運用を支える脇役

検体ラックハンドラーによる運用も「汎用試薬で専用試薬のような運用方法」に欠かせないアイテムと教えていただきました。
「前機種では、検体架設からワンタッチで測定できておりました。BM6010付属のRA-mini はそれ以上の運用を実現してくれました。現在はラックを置くだけでボタンを押す必要すらありません。検体だけでなくキャリブレーターやコントロールも検体を測るのと同様の方法で流せますので、スタッフ全員ストレスなく運用しています」。
前機種を長く使用していたため、今度の機械 (JCA-BM6010 G) は前機種と同じような運用ができるだろうか?これがスタッフ全員の最大の不安だったと語ります。
「分析装置は違う、でも運用は同じ。専用機・専用試薬と同じ運用。『私達のこうやりたい』、『こうルーチンしたい』を、日本電子に相談しながら実現できたのが良かったのではないかと思います」。

今後の目標

今後検査科としては「ポジション数に余裕が出たため、新たに試したいキャリブレーター等が出てきた際の検討や、ドクターからの要望が上がった時に新規 項目を試したい」と述べられました。また、今後の要望として「洗剤ボトルの補充交換が簡便になるような方策があると良い」と期待を教えていただきました。