検出系

  • イメージングプレート
    imaging plate

    X線、電子線、中性子線による電子励起で蛍光を発する現象を利用した積分型の二次元検出器。輝尽性発光体(BaFX:Eu2+ (X=Cl, Br, I))の微結晶をプラスチックフィルムに塗布したものである。感度の直線性が優れている。記録できる面積は約80mm × 100mmでダイナミックレンジ5~6桁と、両方とも大きい。露光されたイメージングプレートにHe-Neレーザを照射し、発光する青色光を光電子増倍管で電気信号に変えて記録された画像を読み出す。光電子増倍管1本では5桁のダイナミックレンジしかカバーできないので、最新の読み出し機では半導体検出器と組み合わせて6桁をカバーしている。イメージングプレートそのものが持っている大きなダイナミックレンジを有効に活用できるかどうかは、信号の読み出し機の性能に依存している。また位置分解能(画素サイズ)も読み出し機の性能によって15~50μmと変わる。階調は最大20ビット。大きな面積を必要とする低倍のTEM像や大きなダイナミックレンジを持つ回折図形の記録に有利である。CCDに比べると、オフライン利用に限定されるのが不利な点である。

  • ウィンドウレス(窓材無し)型EDS検出器
    windowless EDS detector

    検出素子を不純物の付着から保護するための窓材がないEDS検出器のこと。窓材による吸収がないのでベリリウムやボロンといった軽元素の検出ができる。TEMの場合、鏡筒の真空度が良いこと、ペルチェ冷却温度で使用可能なSDDでは不純物が付着しにくいこと,などの理由により、窓材が不要になり、現在、ウィンドウレス型EDS検出器が普及しつつある。

  • ウルトラ・スィン・ウィンドウ型EDS検出器
    ultra-thin window (UTW) EDS detector

    検出素子に不純物が付着するのを防止するために、薄い(厚さ0.3~0.5μm)有機薄膜を窓材として使用するEDS検出器のこと。有機薄膜表面には、帯電防止のためにアルミニウムが蒸着されている。ベリリウム・ウィンドウ型に比べて、窓でのX線の吸収が少ないので、ナトリウムよりも軽い元素を検出できる。

  • エネルギー選択スリット
    energy-selection slit

    エネルギーフィルタにおいて、特定のエネルギーを持つ電子のみを選択して取り出すためにエネルギー分散面に挿入されるスリット。

  • ADF(エーディーエフ)検出器
    annular dark-field detector

    高角度散乱暗視野(走査透過電子顕微鏡)像を得るのに用いられる円環状(内径~3mm、外径~8mm)の検出器。蛍光板またはYAGを用いて散乱電子を光に変え、ライトパイプを通して光電子増倍管で電気信号に変換し、増幅する。

  • 凹面回折格子
    concave grating

    球状またはパラボラ状の凹面鏡の表面に、多数の溝を平行に刻んだ反射格子の一種。分光だけでなく、集光や平行光線を作ることにも用いられる。

  • 回折格子
    grating

    回折現象を利用してスペクトルを得る素子。金属面に等間隔に多数の溝が切られている(切ることができる最小の間隔は~0.5ミクロン)。測定したいスペクトルの波長に適した間隔が必要で、広いエネルギー範囲でスペクトルを得るには、溝の間隔の異なる何本かの回折格子が必要である。スペクトロメータのデザインによっては、収差を軽減するために間隔を変えて切られているものもある。軟X線を分光する電子状態分析に使われる。

  • カロリメータ
    calorimeter

    中性粒子、荷電粒子、電磁波の総エネルギーを吸収によって測定して、入射線のエネルギーを測定する装置。カロリメータを備えたXES装置は、高いエネルギー分解能(~10eV(最近のチャンピオンデータは4.5eV))が得られる。難点は液体Heが必要で装置が大きくなること、信号取得の立体角がEDSより1桁以上小さいことである。現在はSEMに使われておりTEMには使用されていない。

  • 蛍光収率
    fluorescent yield

    励起された原子が基底状態に戻るときに放出する電磁波の放射確率。

  • 蛍光板
    fluorescent screen

    TEM像、回折図形等を可視化するための道具。電子の衝突により塗布された蛍光物質が励起され、放出された可視光が電子の強度に対応した明暗を作る。蛍光物質としては、マトリックスのZnS(硫化亜鉛)にCu(銅)、Al(アルミニウム)、Eu(ユウロピウム)などが添加されたものが用いられている。発光率が高く残光が~100msのものが選ばれる。蛍光板はビームのシャッターをかねており、像等は蛍光板を跳ね上げて撮影する。最近は、蛍光板上で像を直接観察することは少なくなった。

  • 計数率
    counting rate

    ある事象の起きる平均を計数器で測定したとき、単位時間当たりの計測数。

  • 検出限界
    detection limit

    各種の分析において検出できる特定成分の最小量。これ以下の量では信号がノイズにかくれてしまい、検出することができない。

  • 検出効率
    detection efficiency

    各種の分析において、検出器に入射する電子、X線や光に対する出力信号の割合。効率の良い検出器とは、入力から出力への変換効率の高いこと、不感時間が小さく、雑音が少ないことなどを満たすものである。

  • 検出量子効率
    detective quantum efficiency (DQE)

    各種の分析において、入力信号の(S/N)2と出力(検出された)信号の(S/N)2の比。理想的な検出器の場合はDQEは1になる。

  • 高精細像
    high-definition image

    画素の大きさが小さく、ダイナミックレンジが広く、高階調の像。検出器としての写真フィルムは画素の大きさ~3ミクロン、ダイナミックレンジ2桁、階調は<16ビット、電顕で使用しているCCDは画素の大きさ13.5ミクロン、ダイナミックレンジ4桁、階調16ビット、イメージングプレートは画素の大きさ25ミクロン、ダイナミックレンジ5~6桁、階調は最大20ビット。

  • 光電子増倍管(フォトマル)
    photomultiplier tube (PMT)

    光電管に電子増倍部を組み込んだもので、微弱な光を検出し電気信号に変換し増幅する(×105~106)。SEMの二次電子やHAADFの散乱電子の検出部に使われている。

  • 高分解能像撮影
    high-resolution photography

    高分解能像撮影には写真フィルムが使われていたが、最近はCCDカメラに置き換わっている。写真フィルムの画素サイズ(~3ミクロン)とCCDカメラ(~15ミクロン)の画素サイズが違うことから、撮影時の倍率が違う。写真フィルムの場合には30~40万倍で、CCDカメラの場合は60~100万倍で撮る。試料のドリフトなどを考慮に入れると低い倍率で撮るほうが望ましい。

  • サイドエントリー型EDS検出器
    side-entry type EDS detector

    対物レンズの横位置に設置するEDS検出器。水平に置かれた試料に対して、検出器の見込み角は30°以下の低角度になる。検出器を試料に近づけ易いので、検出立体角が大きくX線の検出効率が高い。定量性を向上するためには検出器に飛来するX線の試料内での拡散距離を短くする必要がある。そのために検出器に飛来するX線の試料表面に対する角度が大きくなるように、試料を検出器に向けて傾ける場合がある。試料の局所的な向きによってX線の強度が変化し易く、定量性が高くないのが欠点である。小さなギャップ長で小さな穴径を持つ高分解能ポールピースとも容易に組み合わせることができ、微小領域分析に対応できるため、現在はこの方式が主流になっている。

  • しきい値
    threshold value

    反応その他の現象を起こさせるために必要な最小の物理量(普通はエネルギー)のこと。

  • SIT管
    silicon-intensifier-target (camera) tube

    シリコンを用いた電子増倍ターゲットによる光の撮像管。電子増倍と電荷蓄積の機能を持つので低い光量でも作動する。これを電子顕微鏡に用いるには、電子を光に変換するための蛍光スクリーンがSIT管の前に置かれる。変換された光によって受光面に生じた光電子は、数kVに加速され検出面(電子増倍ターゲット)に結像される。数kVに加速された電子がシリコンターゲットに入射すると、飛躍的な数の電子・正孔対を発生し、高い増幅率が得られる。信号の取り出しは、背後から電子ビームを操作して行われる。ダイナミックレンジが広いのが利点であるが、結像の際に、周辺部分が暗くなるのが欠点である。 現在は、増幅率は低いが、周辺部分が暗くならず、小型で安価で、ノイズ低減技術の進歩によりノイズを低減したCCDに取って代わられており、電子顕微鏡には使われていない。

  • 写真フィルム
    photo film

    TEM像や回折図形を記録するフィルム。透過電子顕微鏡のカメラ室で電子に直接露光される。写真フィルムの電子に対する感光特性は基本的に可視光に対する特性と同じである。感度のダイナミックレンジは2桁強しかなく直線性も悪いので定量測定には向かないが、位置分解能は約3ミクロンできわめて優れているので、高精細な像の撮影に多用されている。階調は<16ビット。写真フィルムより高感度の記録媒体として、イメージングプレート、CCDがある。

  • 照射電流検出器
    probe-current detector

    EELSやEDS分析の際、ファラデーカップで試料に照射される電流をモニターする検出器。

  • シリコンドリフト検出器
    silicon drift detector (SDD)

    エネルギー分散型X線検出器のひとつでEDSに用いられる。入射X線を電子-正孔対に変換する原理はSi(Li)検出器と同じ。しかしながら,同心円状の電位勾配を持つ特殊な電極構造によって素子中央の小さなアノードに効率的に電子を集めることで,静電容量が小さくなり、信号の高速応答が可能となるため、シリコン・リチウム(Si(Li))検出器と比較して、高速かつ高いS/N比で電圧パルスを取り出すことができる。そのために熱ノイズによる暗電流の影響を受けにくく、ペルチェ冷却により-15°C程度で使用できる。Si(Li)検出器と同程度のエネルギー分解能で、1桁以上高い(>1×105 cps)計数率でX線分析が可能である。液体窒素を使わないので、検出器は小型軽量である。そのため、SDDはSi(Li)検出器に代って普及しはじめている。

  • シリコン・リチウム検出器
    Si(Li) detector

    エネルギー分散型X線検出器のひとつでEDSに用いられる。Liをドープしたシリコン単結晶半導体を検出素子として用いている。検出素子にX線が入射すると、そのエネルギーに比例した量の電子-正孔対 (生成エネルギーは~3 eV) が素子内部に発生する。この電子を外部から電圧をかけて素子底面のアノードに集め、電圧パルスとして取り出すことでX線エネルギーを計測する。検出可能元素はB (0.18keV @K線)~U (3.16keV @M線)。エネルギー分解能は~140 eV(@Mn K線)。ドープしたLiの拡散を防ぐため、また熱ノイズによる暗電流を少なくするため、液体窒素冷却を必要とする。最近は、計数率が高くペルチェ冷却で使用可能なSDDの登場により、使用されなくなりつつある。

  • シンチレータ(蛍光物質)
    scintillator (fluorescent substance)

    電子線、電磁波などのエネルギーを吸収して蛍光を発する物質。背後に置かれる光電変換器の感度特性に合わせて蛍光の色、残光の長さを考慮して蛍光物質が選ばれる。蛍光板上での電顕像の可視化用(黄緑色、残光~100ms)、二次電子検出器での電子線強度測定用(青色、残光~μs)、電顕像などの撮影用のCCDの前段に置かれるYAG(青白色、残光~μs)などに使われている。

  • CCD
    charge-coupled device (CCD)

    電子線やX線の2次元のデジタル強度記録媒体として利用される高感度の光電変換用の半導体素子。光を照射して半導体表面の空乏領域(ポテンシャル井戸)に電荷を蓄積し、表面を通して隣接する井戸にこの電荷を伝達し、電気信号として外部に取り出す。電子線の検出には、蛍光材料、YAG結晶等によって電子の強度を光に変換してからCCDに露光する。CCDには暗電流があるので、それを抑えるために冷却して使用する(ペルチェ冷却で-30℃)。空間分解能(画素サイズ)14ミクロン(光用には7ミクロンもある)で~3cm平方のCCD(2K × 2K)が一般的。イメージングプレートに比べると、ダイナミックレンジは4桁、階調は16ビットと小さいが、オンラインで利用できることがイメージングプレートにない最大の利点である。高分解能像取得のためのスロースキャンCCDカメラやWDSの分光用の検出器に用いられる。さらに大きな面積のCCD(4K × 4K)の使用へと移行しつつある。

  • スロースキャンCCDカメラ
    slow-scan CCD camera

    走査速度を遅くすることで,通常のCCD TVカメラよりS/Nを上げて良い画像を得る方式のカメラ。通常のテレビレートは1/30s/1フレームであるが、スロースキャンCCDカメラの撮影モードでは1~2s/1フレーム、観察モードでは~0.1s/1フレームで使用される。

  • ダイナミックレンジ
    dynamic range

    信号強度の再現能力を表す数値で、最大の信号レベルから雑音のレベルを引いたもの。デジタル信号のダイナミックレンジはビット数で表現される。

  • 直接露光検出器
    direct electron detector

    蛍光体(シンチレータ)を介さずに、加速した電子を直接イメージセンサーに入射させて電気信号に変換する検出器のこと。このイメージセンサーにはCCDまたはCMOSが使用される。
    通常は、電子をシンチレータで受け、光に変換し、その光をレンズあるいは光ファイバーでCCDまたはCMOSに導く。直接露光ではシンチレータを介さないこと、および入射電子がシンチレータからの光よりもはるかに高いエネルギーを持っているために、これらの検出器に電子がセンサーに入射したさい、非常に多量の電気信号を得ることができる。すなわち、シンチレータを介するよりはるかに高感度(一般的なシンチレータを介してCCDを用いる場合にくらべて10倍から100倍)で入射電子を検出できる。この特性を生かして、電子線の照射量を極力抑えることが必要な生物等の冷却観察(クライオ電顕)に採用されている。また、シンチレータを介さないため、検出される画像の分解能を向上できる。さらに、読み出し速度が速くなるため、走査像用の検出器として利用されている。
    ただし、電子線照射による検出器のダメージが避けられず、電子線のトータルドーズ量が109個程度でセンサー交換が必要と言われている。

  • デスキャン
    de-scan

    入射電子線の試料への照射位置や照射角度によって光軸から外れた電子線を、2段偏向コイルにより光軸に振り戻すこと。デスキャンの用途は主に2つある。

    1)電子線を試料上で広範囲に走査した場合、走査した周辺部では電子線が光軸から外れてしまう。この場合、光軸を中心としておかれているSTEMやEELSの検出器に対する電子線の位置や角度が光軸からずれる。
    STEMの場合、試料のある走査点を通った電子線がSTEM検出器中心からずれると、その走査点でSTEM像の強度が本来検出されるべき強度よりも変化してしまう。
    EELSの場合、試料のある走査点を通った電子線のEELS検出器へ入る位置や角度が変化すると、その走査点からのEELSスペクトルのエネルギー値が変化する。
    これらの位置や角度ずれを抑えるために、結像系の2段偏向コイルを用いて電子線の走査と同期させて、試料を通過した電子線を光軸上に振り戻す。
     
    2)プリセッション電子回折の場合、入射電子線を試料上の一点で歳差運動させるために、照射系の1段目の偏向コイルで入射電子線をある角度(最大~5°)に傾斜させ、2段目の偏向コイルで傾斜した電子線を光軸上に振り戻す。また、試料を通過した電子線も光軸から外れるため、結像系の2段偏向コイルを用いて、電子線を光軸と平行になるように振り戻す。これらの操作により、プリセッション電子回折図形が得られる。

  • デッドタイム
    dead time

    不感時間。計測器がひとつの信号を受け取ってから次の信号を受け取れるようになるまでの回復に要する時間。

  • 電子線照射損傷低減システム
    minimum dose system (MDS)

    試料への電子線照射損傷を低減して写真を撮影するための手法。生物試料の撮影に使われる。撮影する場所探しをした後、焦点合わせ、非点収差補正を撮影する場所でないところで行い、極力小さな電子線照射量、倍率、撮影する場所を設定して、撮影までの一連の操作を行なうシステムのこと。

  • トップエントリー型EDS検出器
    top-entry type EDS detector

    対物レンズの上方に設置するEDS検出器。水平に置かれた試料に対して、検出器の見込み角が70°位の高角度になる。検出器に飛来するX線の試料表面に対する角度が大きいので、X線の試料内部での拡散距離が短く、試料傾斜が不要であり、定量性に優れている。しかし、検出器を試料に近づけることができないので、検出立体角が小さく検出感度が低いのが欠点である。対物レンズの上方からX線を取り出すために、対物レンズポールピースの穴を大きくしなければならず、TEM像の分解能や微小プローブ形成に不利である。最近はこの型の検出器はほとんど使われていない。

  • 動的観察
    dynamic observation

    電子顕微鏡内で試料に様々な処理(加熱、冷却、引っ張りなど)を行ない、そのときに試料中で生じる現象を連続的に観察すること。その場観察(in situ observation)ともいう。

  • 二次電子検出器
    secondary-electron detector

    電子ビームの照射により試料表面から放出される二次電子を検出する検出器のこと。検出器の主な構成要素はシンチレータと光電子増倍管である。エネルギーの低い二次電子(通常、数10eV)を効率よく集めるために、シンチレータには試料に対して約10kVの正電位を印加する。加速された二次電子はシンチレータにより可視光に変換され、ライトパイプを通して光電子増倍管に導かれ、電気信号に変換され増幅される。二次電子像は、電子ビームで試料表面上を走査し、それに同期して二次電子の強度を輝点列としてコンピュータモニタ上に表示して得られる。

  • 熱雑音
    thermal noise

    導体や半導体素子中の電子の不規則な熱運動によって起こる雑音で、温度が高いほど大きな雑音が発生する。周波数依存性はなく一様なスペクトルを持つので、ホワイトノイズとも言われる。EDSの半導体検出器やスロースキャンCCDカメラのYAG単結晶シンチレータを冷却するのは、この熱雑音を抑えるためである。

  • 波高分析器
    pulse-height analyzer

    放射線検出器の出力のような電圧パルスについて、パルスの波高の上限と下限を任意に設定し、その設定された一定幅の電圧区間(チャンネル)内に入るパルスだけをカウントする装置。放射エネルギースペクトルの計測に用いられる。EDSで特性X線を測定するのに用いられる。

  • 反射電子検出器
    backscattered-electron detector

    電子ビームの照射により試料表面からの反射電子を検出する検出器。TEM機ではマイクロチャンネルプレートが使われている(SEM専用機ではp-nジャンクションを利用した半導体検出器が使われている)。検出効率を上げるために円環状にした検出器を試料直上に置く。マイクロチャンネルプレートは反射電子を検出し電気信号に変換する。反射電子のエネルギーは高いので、二次電子の場合のように付加的な加速は必要ない。反射電子像は、電子ビームで試料表面上を走査し、それに同期して反射電子の強度を輝点列としてコンピュータモニタ上に表示して得られる。円環状の検出器を2分割して用いて、組成(COMPO)像および凹凸(TOPO)像を得る手法が一般化している。すなわち、分割して得た二つの信号をプリアンプで増幅したあとメインアンプで演算処理し、組成像は二つの信号を加算して、凹凸像は減算して得られる。4分割した検出器を用いて、組成信号と凹凸信号を合成して立体(SHADOW)像を得ることもある。

  • 半値幅
    full width at half maximum (FWHM)

    ピークの高さの半分の値でのスペクトルの幅(拡がり)のこと。

  • 半導体検出器
    semiconductor detector (solid-state detector) (SSD)

    シリコンあるいはゲルマニウム半導体を用いたX線検出器のこと。EDS装置の検出器に用いられる。従来は、シリコン・リチウム検出器が使われて来たが、最近はシリコンドリフト検出器の使用が主流になって来ている。検出器のウィンドウについてはベリリウム・ウィンドウ型、ウルトラ・スィン・ウィンドウ型、ウィンドウレス型などがある。

  • ファイバープレート
    fiberoptic plate

    1本が数ミクロン径の光ファイバーを多数束ねて接合した板で、TVカメラシステムの光信号の伝達手段として使われる。

  • ファラデーカップ
    Faraday cup

    電子ビームの電流値を直接測定するための金属製の筒状電極。測定したい電子が外に出ないように、カップ状に作られている。

  • フォトダイオードアレイ
    photodiode array

    光を吸収することによって光信号を電気信号に変換する受光素子の一種(フォトダイオード)を配列した検出器。

  • 不感時間
    dead time

  • ブラウン管
    cathode-ray tube (CRT)

    電子ビームを電圧や磁界で加速、集束、偏向して蛍光体を照射して管面に二次元画像を表示するもの。

  • 分光結晶
    analyzing crystal

    波長分散型エネルギー分光計の分光素子に使われる結晶。特性X線を分光して組成分析に使われる。例えばウラン(Lα)などの重元素用にはLiF結晶(面間隔0.4nm)、ベリリウム(Kα)などの軽元素用にはSTE(Stearate)結晶(面間隔10nm)が用いられている。

  • 並列型検出器
    parallel detector

    多数のチャンネルの信号を同時に読み出すことができる検出器。シリアル検出器に比べ、チャンネルの数の倍数だけ検出効率が向上する。

  • ベリリウム・ウィンドウ型EDS検出器
    beryllium window EDS detector

    ベリリウム膜を、半導体検出器の真空を保持するための窓材として使用するEDS検出器のこと。ベリリウム膜(厚さ8~10μm)が厚いので、取り付けや取り外しの作業で真空が破れるリスクが少ない。しかし、ベリリウム膜が低エネルギー側のX線を吸収してしまうため、ナトリウムより軽い元素の分析はできないという欠点がある。そのために最近は使用されることは少なくなってきている。

  • ペルチェ冷却
    Peltier cooling

    ペルチェ効果(異なる金属を接合して電流を流すと接点に熱の発生や吸収が起きるという現象)を使った冷却法。CCDカメラの熱ノイズを減らすために使われる。ペルチェ素子を3段に使ったタイプで~-45℃まで冷却できる。データを蓄積するタイプのCCDでは常に使われている。発熱部には水冷が必要であるが(空冷もあるが効率が悪い)最近の装置は非常にコンパクトにできている。もっと低い温度が必要な場合は液体窒素を使う。

  • ポイントスプレド関数(点拡がり関数)
    point spread function

    蛍光体層によって電子から変換された光をCCDで検出するとき、蛍光体の粒子によって電子が散乱されるために、そこから発する光のサイズは入射電子線のサイズより大きくなる。この光がCCDに達するときCCDの1ピクセル(~15μm)サイズより大きくなることがある。この拡がりを与える関数をポイントスプレッド関数という。目安として、強度の中心のピクセルに対して、隣のピクセルでの強度は1/3程度。

  • マイクロチャンネルプレート
    micro-channel plate (MCP)

    厚さ約0.5mm、直径約10mmのガラス円板に、内径約10ミクロンの穴状のチャンネルをもつ電子倍増素子を蜂の巣状に並べたプレート。プレートの両面は金属でコーティングされ、入力側電極は陰極、出力側電極は陽極となっている。電極間に電圧を印加すると、入力側電極に入射した電子はチャンネル内壁に衝突し、複数の二次電子を放出する。これらの二次電子はチャンネル内の電界により加速され、チャンネルの(トッター)内壁への衝突を繰り返して増倍され、電子流は出力側電極で取り出され、増幅された電気信号となる。電子だけでなく、イオン、X線などにも感度があることから、これらの検出素子としても利用されている。TEM機に装着する反射電子検出器に使われている。

  • YAG
    yttrium aluminum garnet (YAG)

    シンチレータ、すなわち電子線や電磁波などのエネルギーを吸収して蛍光を発する物質の一種。電顕像などの撮影用のCCDの前段に置いて使われる。