長時間VTアタッチメント コンプレッサ型低温ユニット
NM090006
製品イメージ図※1
特徴
・簡単な操作で低温空気を得ることができます。
・可動部品が無いのでメンテナンスフリーです。
・室温より約25℃低い空気をプローブへ提供。※2
・長時間の温度安定性。
・液体窒素などの冷媒不要。
・可動部品が無いのでメンテナンスフリーです。
・室温より約25℃低い空気をプローブへ提供。※2
・長時間の温度安定性。
・液体窒素などの冷媒不要。
取り付け例
原理
コンプレッサ型低温ユニットでは、ボルテックスチューブ(ランク・ヒルシュ渦管)を使用して低温空気を発生させます。この現象は1930年代にGeorges Ranqueによって発見され、1940年代にRudolph Hilschの研究により広く知られることとなりました。現在では主に、機械加工の現場で製品や工具の冷却に使われています。ボルテックスチューブは、図1に示した空気の流れを作り熱風と冷風を取り出します。また、ボルテックスチューブをNMRに応用した例は、R.W.MartinとK.W.Zilmによって2004年に報告されています。[1]
図1:ボルテックスチューブ内の空気の流れ
使用例1
コンプレッサ型低温ユニットを使用した場合でも、これまでの弊社の長時間VTと遜色の無い温度安定性を得ることが可能です。例としてメタノール試料を弊社装置のJNM-ECA500にて10℃で長時間測定(12時間)を行った例を図2にて示します。メチル基と水酸基それぞれの信号の位置関係が時間に対して全く変化していないことから、非常に高い温度安定性を保持していることがわかります。
図2:化学シフトの時間依存性(試料:メタノール、10℃)
使用例2
続いてコンプレッサ型低温ユニットを使用した温度可変測定の例を示します。図3は様々な温度でメタノールのメチル基と水酸基との化学シフト差を温度に対してプロットしたグラフになります。温度と化学シフト差の値が直線関係になっていることから、コンプレッサ型低温ユニットを使用しての安定した温度可変測定が可能です。
図3:温度可変測定(試料:メタノール)
※1:仕様及び外観は改善のため予告無く変更する場合があります。
※2:お使いいただく装置、環境によって制御可能な温度領域は変動いたします。
参考文献
[1] R.W. Martin, K.W. Zilm, Variable temperature system using vortex tube cooling and fiber optic temperature measurement for low
temperature magic angle spinning NMR, J. Magn. Reson. 168 (2004) 202–209.