Close Btn

Select Your Regional site

Close

試料調整 ②

ER230005

溶液試料のサンプリング

溶液試料は溶媒の誘電損失により、試料量や試料管の形状に制限を受ける場合があります。誘電損失は、誘電体に交流電場を加えた時にそのエネルギーの一部が誘電体内で熱となり失われる現象です。誘電損失をもつ試料の ESR 測定はその影響を受けて感度が低下します。溶媒によって誘電損失の度合いは異なるため、標準試料管、水溶液セル (ES-LC12 )やキャピラリーチューブなど試料に合わせて試料管を選択してサンプリングします。これらは誘電損失を避けるためによく使用されます。
特定のラジカルを観測する際には誘電損失の少ない溶媒を用いることが望ましいです。誘電吸収の大きな溶媒を使って試料の溶媒効果を検討する際に場合には、感度のロスを少なくする工夫が必要となります。溶媒効果についてはアプリケーションノート ER220006 を、誘電損失の大きな溶媒を使用する際の試料管選択についてはアプリケーションノート ER160001 をご参照ください。

溶液試料の ESR 測定例 - TEMPOL 水溶液

超純水で希釈した同濃度の TEMPOL を様々な試料管を用いて ESR 測定した例をご紹介します。試料管の容量と内径を表 1 に示します。②の水溶液セル(ES-LC12)は短辺の内径を示しています。キャピラリーチューブは、標準試料管に入れて ESR 測定しました。図 2 に試料の容量と観測された ESR 信号の面積を示します。
① を用いた ESR 測定では、誘電損失の影響を受けて感度が下がり ESR 信号はほとんど検出できませんでした。水溶液試料は誘電損失が大きいため感度が大幅に低下するため、多くの場合、外径 5 mm の標準試料管を使用して測定することは難しい傾向にあります。図 2 より、②の水溶液セル(ES-LC12)では誘電損失の影響を抑えて試料容量を確保できるため、感度良く ESR 測定できていることが分かります。誘電損失による溶液試料の ESR 測定の感度は、試料管の内径の大きさや素材などの影響を受けて変化します。内径の大きな試料管やキャピラリーチューブでは水溶液による誘電損失が顕著になるため感度が低くなります。

 

表1. 試料管 

 

図 1. TEMPOL 水溶液の ESR 信号

容量(μL)

 

図 2. 試料量と面積 

分野別ソリューション

関連製品

水溶液セル ES-LC12

関連情報

閉じるボタン
注意アイコン

あなたは、医療関係者ですか?

いいえ(前の画面に戻る)

これ以降の製品情報ページは、医療関係者を対象としています。
一般の方への情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

やさしい科学

主なJEOL製品の仕組みや応用について、
わかりやすく解説しています。

お問い合わせ

日本電子では、お客様に安心して製品をお使い頂くために、
様々なサポート体制でお客様をバックアップしております。お気軽にお問い合わせください。