「クライオ電子顕微鏡の研究開発」で
第2回日本医療研究開発大賞の経済産業大臣賞を受賞

日本電子株式会社(代表取締役社長 栗原 権右衛門)は、「クライオ電子顕微鏡の研究開発」に関し、株式会社CeSPIAとともに第2回日本医療研究開発大賞にて経済産業大臣賞を受賞しました。12月27日に総理大臣官邸で行われた表彰式において、世耕弘成経済産業大臣から当社に表彰状および記念品が授与されました。
日本医療研究開発大賞は、医療分野の研究開発の推進に多大な貢献をした事例に関して功績を称えることにより、国民の関心と理解を深めるとともに、研究者等のインセンティブを高めることを目的として、昨年度創設されました。「経済産業大臣賞」は、「経済及び産業の発展の視点から特に顕著な功績が認められる事例(1件)」に贈られるものです。

経済産業大臣賞 受賞概要

受賞者

日本電子株式会社、株式会社CeSPIA

功績

日本電子株式会社は、30年以上の産学官連携による研究開発により、生体分子を高分解能で構造解析できるクライオ電子顕微鏡を実用化・市場導入し、次世代の創薬研究開発のための基盤構築に顕著な貢献を果たした。
また、株式会社CeSPIAは、製薬企業等に対しクライオ電子顕微鏡を用いた創薬標的などの立体構造解析サービスを提供しており、同電子顕微鏡の産業応用に重要な役割を果たしている。

概要

通常の電子顕微鏡は、電子線や真空状態の影響で生体試料の構造に影響を与えてしまうことが課題でしたが、クライオ電子顕微鏡は、極低温で試料を凍結・観察することで、生体試料の構造を壊さずに、分子レベルの高分解能で立体構造を解析することができる電子顕微鏡です。 
日本電子株式会社は、名古屋大学細胞生理学研究センター 藤吉客員教授の協力のもとで、従来よりも高い分解能を持つ電子顕微鏡の技術開発を1983年から進め、製品化を行ってきました。当社が開発したクライオ電子顕微鏡は、創薬標的となる膜タンパク質の高分解能の構造解析を可能とするなど、生物学や創薬研究開発の基盤構築に貢献しました。クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析法で2017年10月にノーベル化学賞を受賞したリチャード・ヘンダーソン博士も、日本の技術の貢献を明確に述べています。
また、藤吉氏と日本電子株式会社との共同出資で2017年に設立したベンチャー株式会社CeSPIAは、主に製薬企業からの依頼に応えてクライオ電子顕微鏡を用いた創薬標的などの立体構造解析サービスを提供しており、同電子顕微鏡の産業応用が進展しています。
また、株式会社CeSPIAは、製薬企業等に対しクライオ電子顕微鏡を用いた創薬標的などの立体構造解析サービスを提供しており、同電子顕微鏡の産業応用に重要な役割を果たしている。