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全自動アミノ酸分析機

血液中、尿中、食品、蛋白質等のアミノ酸組成分析

JLC-500/V全自動高速アミノ酸分析機

JLC-500/V全自動高速アミノ酸分析機 は、タンパク質を形成しているアミノ酸、人の体の体液(血液、尿など)中のアミノ酸、日常の食品、家畜・農作物中のアミノ酸の含有量を正確に測定する装置です。専門的に言えば、生化学分野のタンパク質の構造解析、臨床検査医学分野の疾患の診断・病態解析、先天性代謝異常症のスクリーニング検査、食品・製薬関連の品質検査分野のアミノ酸組成分析に使用されています。AminoTac(商標登録)は、この装置のニックネームです。アミノ酸はイオン交換クロマトグラフィーで分離した後に、ニンヒドリン試薬で反応させて可視吸光検出器で検出します。AminoTacはWindows©対応のワークステーションを採用しており、分離速度が速く、精度の高い全自動アミノ酸自動分析装置です。

タンパク質は生命を支える大切な役目をしています。

タンパク質は、人間の場合、成長や健康維持のために摂取する必要のある必須アミノ酸をはじめ、20種類のアミノ酸が鎖状に連結された高分子物質からできています。

私たちの体を形成しているのは水とタンパク質なのです。タンパク質は目玉、筋肉、髪の毛など目にするものだけではありません。血液などの体液のなかにも沢山のタンパク質が溶け込んでいるのです。さらに細胞の中には生命をつかさどる酵素が含まれていますが、その酵素もタンパク質です。その他、外敵から身を守るための免疫作用をもつ抗体、ホルモンなどもタンパク質なのです。このようにタンパク質は生命を支える大切な働きをしています。

また、私達の生体液である血液・尿中には新陳代謝過程で作られるおおよそ50種類近くの遊離アミノ酸が含まれています。生体液中のアミノ酸は、通常の疾患のほか、先天性代謝異常症のような遺伝性疾患を反映しており、アミノ酸の状態を知ることによって病気を知ることもできます。

★タンパク質の語源★

タンパク質は漢字では蛋白質と書きます。蛋は卵のことで、タンパク質とは卵の白身をつくっている物質という意味です。まさに卵はタンパク質の固まりです。

アミノ酸の分析原理

多種類のアミノ酸混合物試料は、イオン交換樹脂を詰めたカラムを使って分離します。分離には樹脂、アミノ酸、溶離液の三者間の化学的親和力の差が利用されます。試料には、タンパク質を塩酸分解して得られるアミノ酸と血中、尿中に含まれる遊離アミノ酸の 2 種類があり、前者は加水分解アミノ酸といわれ、17成分のアミノ酸混合物から成り立っています。後者は、血液と尿中に含まれるもので、生体アミノ酸といわれ、50成分以上のアミノ酸混合物から成り立っています。

AminoTac で分析した加水分解標準アミノ酸分析(分析時間 18 分)生体標準アミノ酸分析(分析時間 60 分)のデータを示します。 上記各々のハイパーリンクをマウスでクリックすると分析データのクロマトグラフが表示されます。

アミノ酸の分離と検出

アミノ酸は水溶液中ではイオン状態にあるので、イオン交換クロマトグラフィーで分離する方法が最適とされています。
アミノ酸は、同一分子内にアミノ基 ( -NH2 ) とカルボキシル基 ( -COOH ) を持つ塩基性、酸性の両性物質ですので、溶離液のpH、イオン強度を変化することによりアミノ酸のイオン交換樹脂に対する選択性を容易に変えることができます。
水溶液中のアミノ酸は、+の電荷を帯びています。そしてその電荷量は個々のアミノ酸によって全て異なります。一方、イオン交換樹脂(直径 5 ミクロン= 1/200mm 程度の粒子状樹脂)は、水溶液中では常に-の電荷を帯びています。

今、イオン交換樹脂をカラムという円筒形の管に詰め、アミノ酸の混合物である試料を上端から注入し、連続的に液を流します。すると、アミノ酸とイオン交換樹脂の間には、親和力の一種である静電的引力が作用し、各アミノ酸の電荷の量の違いが、溶出時間の差となって現われ、電荷の小さいアミノ酸から順に、カラムの下端から溶出してきます。

このような原理で、混合物のアミノ酸が分離されます。この時、カラムに流す液体のことを緩衝液と呼びます。
分離したアミノ酸は溶液中では無色透明ですので、ニンヒドリンという発色剤を加えて 100℃ 近くの反応槽で反応させますと紫色に発色します。その発色は570nm (プロリンなどのイミノ酸は 440nm に最大吸収を示します。)に最大吸収があるので可視吸光光度計で測定し、吸収曲線を A/D 変換してデータを印字します。発色剤はアミノ酸としか反応しないので、例え何かがアミノ酸と同時に溶出していても、アミノ酸しか検出されません。
アミノ酸の検出法は、極めて特異的な性格を持った検出法といえます。

アミノ酸分析の歴史

アミノ酸分析の歴史

1948年、ニューヨークのロックフェラー大学医学研究所のスタンホード・ムーアとウイリアム・ステイン両博士によってニンヒドリン比色法による液体クロマトグラフィーアミノ酸検出方法の論文が発表されました。そして、124のアミノ酸とリボヌクレアーゼの構造が解析され、また、世界ではじめて酵素の解析に成功した功績により、1972年に両博士はノーベル化学賞を受賞しました。(左図は、1972年12月11日付 The New York Timesに掲載された受賞式の写真)

この研究発表成果によって、アミノ酸自動分析機が全世界で製品化され世界中で販売されました。今日にいたってもニンヒドリン比色法による優れた定量精度は、臨床分野、特に小児患者の先天性代謝異常のアミノ酸分画、食品・製薬分野の品質管理等には欠かせない測定方法となっています。米国のFDAもこの分野の検査は、ニンヒドリン比色法でなければならないと勧告しているほどです。

1980年代に突入すると、分離カラム固定相の細微粒化が一挙に進み、高速、高感度、高分解能の液体クロマトグラフィーが主流になりました。HPLC(High Performance Liquid Chromatography)の誕生です。専用アミノ酸自動分析装置も、ガラスカラムを用いたものから、内径が細いSUSカラムを使った高圧、高速の全自動アミノ酸分析機へと発展しました。

アミノ酸分析応用分野

下表はニンヒドリン比色法による応用分野を示しております。グラフは、日本電子製アミノ酸分析機の納入先の使用状況を調査した結果、アミノ酸分析の応用分野が、臨床検査、食品分野で65%を示しています。対象主施設としては、臨床検査分野:小児病院、検査センター、食品関連:家畜肥料、酪農、食品検査、ビール、ワイン、醤油、酢等の関連施設、生化学:蛋白質組成分析、製薬:輸液の品質管理などがあります。

分野 目的 分析
臨床医学 疾病診断、病態解析 血漿、尿、髄液中の遊離アミノ酸、先天性代謝異常症のスクリーニング
食品関連 栄養、味覚、機能食品 食品の加水分解物、食品中の遊離アミノ酸
生化学 タンパク質の構造解析 タンパク質・ペプチドの加水分解物
製薬 製品の品質管理 輸液の遊離アミノ酸、タンパク質・ペプチドの加水分解物
飼料・その他 製品の品質管理 飼料の加水分解物
アミノ酸分析応用分野

最新鋭AminoTacによるルーチン分析

最新鋭AminoTacによるルーチン分析

ワークステーションには国際標準Windowsを採用し、17インチCRTでわかり易いアイコン表示とマウスを中心にした簡単操作型になっています。画面上部の分析機操作パネルには、スタート(Start)などの通常のオペレーション操作をアイコン化し、ボタンを押す感覚で操作できます。また、装置の電源を入れて立ち上げると、分析操作パネルにはサンプル情報、入力画面が表示されます。

最新鋭AminoTacによるルーチン分析

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