特長
電子顕微鏡観察時のコンタミネーション抑制
試料や器具の洗浄
試料表面の親水化処理
電子顕微鏡で観察していると、画像が徐々に暗く不明瞭になることがあります。
これは、試料や残留ガス中に含まれる炭化水素化合物が、照射された電子ビームとの作用により試料表面上で重合し固着 (コンタミネーション) するためと考えられています。
エキシマUVクリーナーはキセノン (Xe) の励起二量体 (エキシマ) から発光する波長172 nmの紫外線を用い、
試料表面の有機化合物による汚れや電子線によるコンタミネーションを除去することができます。また、試料表面の洗浄や改質により、親水化処理を行うことも可能です。
観察時のコンタミネーション抑制
極表面の情報が得られる低加速電圧の走査電子顕微鏡 (SEM) 観察では、表面に付着したコンタミネーションの影響を大きく受けます。
10万倍 (左図) で観察後、3万倍 (右図) に倍率を下げ観察。無処理 (上段) では、10万倍での観察部分が暗く不明瞭に変化しているのに対し、エキシマUV洗浄後 (下段) は、試料表面の炭化水素化合物が減少しているため、電子ビーム照射によるコンタミネーションを抑制することができます。
試料表面に付着した汚れの洗浄
長期間使用・保管していた試料は、環境中に含まれる有機化合物により汚れが蓄積します。
エキシマUVクリーナーでは、ドライな環境下で有機化合物の汚れを除去することができます。
親水化処理
エキシマUV照射時に発生する活性酸素種により、極性官能基が形成され、親水性が向上します。
電子顕微鏡試料作製や接着の前処理に使用できます。
エキシマUVクリーナーによる試料洗浄 / 親水化処理の仕組み
電子ビームによるコンタミネーションの発生過程
洗浄過程
試料トレーの高さを変えることができるので大きな試料も導入することができます。
仕様・オプション
照射紫外線 | 波長 172 nm | ||
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最大試料サイズ | 105 mm (幅) × 105 mm (奥行) × 70 mm (高さ) | ||
最大試料質量 | 1 kg | ||
照射時間設定 | 10 秒 ~ 99 分 | ||
真空ポンプ | ダイアフラム型ドライ真空ポンプ | ||
設置条件 | 電源 | 単相 90 ~ 110 V、50 / 60 Hz、500 VA | |
寸法・質量 (ケーブル、真空配管含まず) |
本体 | 39 cm (幅) × 50 cm (奥行) × 32 cm (高さ)、約22 kg | |
真空 ポンプ |
50 cm (幅) × 20 cm (奥行) × 30 cm (高さ) 、約9 kg | ||
室温 | 15 ~ 30 ℃ | ||
湿度 | 60% (RH) 以下 (結露無きこと) | ||
定期交換部品 (照射累計 1000 時間で交換) | UVランプ、真空計、Oリング等 |