PROFESSIONALINTERVIEW
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世界の科学発展に貢献する会社を支える
最後の関門、「調整」という業務
SI生産部
EO調整課
EM調整係
S. A.
SI生産部
EO調整課
EP調整課
K. K.
世界の科学発展に貢献する会社を支える
最後の関門、「調整」という業務
日本電子山形は日本電子グループの生産専門会社として2002年に設立された。現在、日本電子製品の約★60%★ (製品本体ベース) の生産を担う主力工場である。日本電子山形に勤務するS. A.とK. K.は共に、製品出荷前の最終確認である「調整」を担っている。S. A.は透過電子顕微鏡 (TEM)、K. K.は走査電子顕微鏡 (SEM) の担当だが、共に日本電子の品質を守るための「最後の関門」として責任とやりがいを感じている。
大事にしたい、ものづくりに対する
「プロフェッショナル意識」
S. A.は、現在、透過電子顕微鏡 (TEM) の「JEM-F200」という機種の電気的なFT (ファイナルテスト) から調整までを担当している。
S. A.「高校卒業後、4年制大学の工学部電気電子工学科を卒業後、いったん他社に就職しましたが、退職後の2019年に日本電子に入社しました。これまで大学で学んできたことや、他社で培った経験が現在も活きています。実際に装置を見たときには、そこで使われている技術について、すぐには理解ができないのですが、装置を分解し、調整していく過程で、学生時代に学ぶような基本的なレンズの作用などシンプルな原理が見えてくることもあります。そんなとき、いままで学んできたことが役に立っていると分かります」
S. A.「日本電子に対する印象ですが、家族の中に、日本電子の関連会社に勤めていた者がおり、その者から、日本電子について『ものづくりに対するプロフェッショナル意識がとても高い』と聞いていました。私もここでそれを実感しながら働いています。ものづくりや仕事のやり方に対して細やかさ大事にしている人、高いアウトプットを出そうとする意識の高い人が多いと思います。最初この会社に入ったときに、先輩方が、限られた時間内でどうすれば、より良い仕事ができるか絶えず考えていることに驚いたことを覚えています」
K. K. は、走査電子顕微鏡 (SEM) の「JSM-IT800」を担当し、そのFTがメイン業務だ。
K. K.「工業高校卒業後、地元の短大を卒業し入社しました。今年で5年目になります。当社は消費財ではなく、特徴的な装置を製造するメーカーということもあり、両親は社名を知りませんでした。この会社で扱う電子顕微鏡とはどのようなものかを最初に説明しました。という私も、恥ずかしながら、詳しく知っていたわけではないのですが。入社する際に、世界の科学技術の発展に必須なSEMという装置を作る企業と知りました。先日も当社の電子顕微鏡を使った、新型コロナウイルスを撮影した画像を社内ニュースで見て、改めてSEMの意義を理解するとともに、弊社の技術がとても高度であることを認識しました。現在、IT800はかなり売れ筋の製品なので、日々忙しい毎日を過ごしています」
工場内では、さまざまなキャリアやスキルを持った多くの人が働いている。社内の雰囲気はどうなのだろうか。
K. K.「社員の平均年齢が、30歳強と若いこともあり、社員の横同士のつながりが強く、社内でのコミュニケーションが円滑であると感じます。先輩たちは、こちらがわからないことに対して、丁寧に教えてくれます。調整作業は経験がものをいう世界で、難しい局面も多々ありますが、トラブルがあると優しく周囲が教えてくれます。これまで、電気系の勉強を専門的にしてこなくても、ここで学びながら十分に活躍できる、仕事ができるようになると思います」
S. A.「なにより社内のコミュニケーションがとりやすく感じます。また、先輩方の指示やアドバイスのきめ細やかさを感じます。仕事上は要領書というマニュアルがあるのですが、これを見ても分からないと、先輩達が丁寧に教えてくれるので安心しながら、仕事ができています」
出荷前の最終確認役としての、プレッシャーも
両者は、調整という業務を行っているが、どのような仕事なのだろうか。
K. K.「私たちの部署が、製造の最終工程を担います。そこから出荷までを担当するので、問題や不具合がないか、見落としがないように確認を徹底しています。FTは1から6までのステップがあり、全ステップを1台について2~3週間かけて確認・調整作業を行っています。このテストでNGが出る場合も少なくないので、例えば不具合が発見されたパーツの交換なども私たちの役目です。最終工程を担う仕事であり、私たちの調整が、製品品質に直結すると思っています。電子的なチェックと共に、目検で、基準から外れていることを見つけることもあります。SEMはサンプルを像として写し出す装置なので、基準に対する像の移動量などを目で見て確認します」
S. A.「直接、お客様に接する機会はないので、納入後に営業担当者からフィードバックを受けています。作業する際は、担当する装置がどのような用途で使用されるのか設計図から読み解き、作業の目的を考えながら進めています」
そんな両者だが、業務に対するモチベーションはどこにあるのだろうか。
K. K.「自分なりに完璧を目指し、製品を出荷できること。最後の関門としての立場にやりがいを感じます」
S. A.「組立をはじめ全工程の責任を最後に背負うプレッシャーもあります。1年目の社員では対応するのが難しい、NGかどうか判別が難しい場合もありますが、日々観察力を養い、察知できるよう心がけています。なにかいつもと違うな、と少しでも感じたら、報告するようにしています」
日本電子は縁の下の力持ちとして、科学技術の発展に寄与しているが、最後の関門である、調整チームのプロフェッショナル意識が一役買っているのは間違いない。
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