PROFESSIONALINTERVIEW

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海外の営業スタッフを国内から我々が支援します

科学・計測機器営業本部
海外SI営業部 欧州グループ

R. T.

海外の営業スタッフを
国内から我々が支援します

日本電子の海外売上比率は60%を超え、さらに伸びる勢いだ。営業の最前線にいるのは国外25カ所を拠点に活躍する現地のスタッフだが、彼らを支援する部署が国内にある。現地の営業スタッフが即答できない要望や質問を投げると、その部署が国内の適切な部署に問い合わせ、依頼したり回答を得たりする。いわば海外スタッフと国内スタッフをつなぐハブとなり、営業活動を円滑に進める部署だ。ヨーロッパ担当のR. T.に海外営業の面白さを聞いた。

「オンリーワンの装置を作ってくれ」

「お客様に提出するデータを再来週までに送ってもらえないか」。海外の営業スタッフから要望が舞い込む。R .T.は国内の適切な部署に依頼し、スケジュールを含めて回答を返す。

R. T.が所属するのは、電子顕微鏡や核磁気共鳴装置などの海外営業をサポートする部署。海外スタッフと国内スタッフをつなぐハブ役となって、専門性の高い製品の営業活動をバックアップしている。R. T.が担当しているのはイギリスの現地法人、それとオランダとベルギーを拠点とする現地法人だ。

「海外でも日本電子の製品は評価が高くて、性能や使いやすさ、品質の高さや耐久性などを褒めていただくことが多いですが、それに加えてヨーロッパではカスタマイズにきちんと対応してくれるメーカーだという評価が高いです」(R. T.)。最先端の研究に携わる人はオリジナリティのある研究成果にこだわるもの。アメリカやヨーロッパの研究者は特にその傾向が強い。それがオンリーワンの電子顕微鏡などを求める声となっているという。

こだわりのカスタム品となると、顧客の要望を正確にくみ取り、開発スタッフに伝える作業は増える。また、打ち合わせ時間も長くなる。それでも顧客に満足してもらえる製品が納品できれば営業に携わる者にとっては喜びだ。国内の開発スタッフは、全員、英語が得意というわけではない。現地とのWeb会議の際は、聞き取れないこともある。そんなときには翻訳して開発スタッフに伝える。そうしたフォローもR. T.の仕事だ。

海外営業をやりたい人が増えている

今の大学生は、留学したい、将来、海外で活躍したいというモチベーションが下がっているという声をよく耳にする。だが日本電子の国内営業を担当する人たちの間では、海外に行きたい人がここ10年、増えている。

「理由ははっきりとは分からない」(R. T.)という。だが、その要因だろうと思われる事情はR.T.が語ってくれた話の中にありそうだ。いくつかピックアップしてみよう。

一つは海外売上比率が伸びていること。2011年度まで40%台で推移していた海外売上比率はその後伸びて、2019年度以降は60%台で推移している。日本電子は「グローバルニッチトップ」(世界を舞台に、参入企業の少ない市場でトップになる)を掲げていることから、今後も海外比率は伸ばすと思われる。つまり、海外が今以上に大きな柱となっていくのだ。そこで力を振るうことはやりがいにも通じるだろう。

もう一つは海外に行った先輩の成功体験だ。ある国内のベテラン営業スタッフが海外の現場に飛び込んだら海外拠点の売り上げが上がった。国内で培った営業ノウハウや知識、人的ネットワークが海外でも通用することを目の当たりにしたのだ。そのスタッフは赴任当初、特に語学に秀でていたわけではなかった。現地で活動していく中で語学を身に付けていったという。「高い語学力がないと海外営業は無理!」と身構えなくていいことも、先輩の成功体験は教えてくれた。

もちろん、語学力はあったほうがいい。日本電子には社員の語学研修の費用を一部負担してくれる制度がある。これも海外行きのハードルを低くする手助けになっているのだろう。

「将来は自分も海外に駐在したい」

R. T.は国内営業を10年経験した後、2019年から海外SI営業部という今の職場に就いた。赴任前は、時差でWeb会議が夜遅くになるのではないかと心配したが、担当する現地法人との間でそうしたことはなかった。

今の職場は5年目。仕事は充実している。だが、将来は自身も海外に駐在したいと思うようになった。海外営業を支援する職場から海外の営業スタッフになる人はこれまでにもいて、いわば一つのコースになっている。R.T.もこれまでに身につけた営業ノウハウやコミュニケーション能力を海外で試してみたいと思うようになったのだろう。

「海外ではノーベル賞受賞者がお客様になることが普通にあるのです。そうした人たちから『研究を手伝ってくれ』と言われたら、やはり感慨深いですよね」(R.T.)。海外で活動する自身の姿をすでにイメージしているようだ。

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