日本電子と東京農工大学および東京大学との共同研究の成果が「Plant Methods」誌に掲載されました
公開日: 2026/03/19
東京農工大学、東京大学、および日本電子株式会社からなる共同研究チームは、植物細胞内の表層微小管(CMTs)を高分解能かつ広い視野でFE-SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)により観察できる新しい手法を開発しました。本研究成果は、植物科学分野の国際学術誌「Plant Methods」に掲載されています。
表層微小管(CMTs)は細胞骨格の一部であり、細胞壁に新しく沈着するセルロースミクロフィブリルの配向や配置を制御することで、植物細胞の形状や大きさ、構造の形成に重要な役割を果たしています。植物細胞内のCMTsの方向や局在の観察は、蛍光抗体標識やGFP融合タンパク質を用い、蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡を用いて広範囲で行われていますが、分解能は電子顕微鏡よりも劣ります。一方、透過型電子顕微鏡ではCMTsを高分解能で観察できるものの、厚さ約70~100 nmの超薄切片の作成が必要など限定されるという課題がありました。このため、高分解能と広い観察視野を併せ持つFE-SEMを用いた新たな観察技術の確立が求められていました。
本研究では、凍結破断法とFE-SEMを組み合わせた新しい観察手法を開発し、染色や細胞成分の抽出といった前処理を行うことなく、植物組織や培養細胞内におけるCMTsの方向や局在を高分解能かつ広範囲に観察することに成功しました。本手法はさまざまな植物組織に適用可能であり、植物細胞の分裂、分化、細胞死における微小管の役割をより詳細に解明するための有用な新しい観察技術として強く期待されます。
