動的核偏極(Dynamic Nuclear Polarization, DNP)法は、電子スピンの高い分極を核スピンに伝達することで、NMRの感度を飛躍的に向上させる技術です。本製品は、固体NMRにおいてDNP法を実施するために用いられるプローブです。DNP‑NMR測定を行うには、プローブのほかにワイドボア超伝導マグネット、マイクロ波光源、マイクロ波伝送系などの装置が必要となります。
極低温MAS-DNPプローブは試料管径のラインナップとして2mmおよび3.2mmの2タイプ、プローブの種類として以下の2タイプがラインナップされています。
・極低温MAS-DNPプローブ HX (X = 31P~17O ) タイプ:多核種まで測定可能な汎用性の高いプローブです。
・極低温MAS-DNPプローブ HCN タイプ:1H, 13C, 15Nの三重共鳴測定が可能です。
特長
極低温 MAS‑DNP プローブを用いることで、試料を 30 Kまで冷却でき、DNP効率の向上が得られます。さらに、ボルツマン分極の増大、RF 回路のQ値向上、熱雑音の低下によっても、NMRの感度が向上します。DNP効率の向上により、400 MHz 装置では小型の半導体マイクロ波光源を採用することが可能となり、装置の低価格化や省スペース化が実現します。さらに、マイクロ波周波数の調整も容易になり、これによって使用できる分極剤の選択自由度が高まります。また、極低温冷却装置はヘリウムガスの循環方式を採用しており、冷凍機によって冷却が行われるため、寒剤を消費することなく運転が可能です。

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アプリケーション
プロリンおよび分極剤AMUPolをグリセロール-水混合系に溶解した試料の1次元CPMASスペクトルです。マイクロ波照射なし(赤)に比べて照射あり(青)では85倍の感度向上が得られました。
マイクロ波出力:160 mW , 測定温度 :30K

参考文献
Hobo, et. al., JMR. 373, 107842 (2025)
論文掲載
ノースウェスタン大学との共同研究が「Physical Chemistry Chemical Physics」誌に掲載されました
