鉄鋼中のAsとPbを分離して分析できます - サムピーク除去ソフトによる鉄鋼中のAsと微量Pbの分析 -
InSpirAtion【サムピーク除去ソフト】
はじめに
鉄鋼材料は汎用的な材料ですが、以前のRoHS分析方法では、PbとAsどちらが含有しているのか同定することができませんでした。
ElementEyeでは二次フィルター+サムピーク除去ソフト+スマートFP法によりAsとPbを高精度に分離し定量することができます。
従来の結果

Feのサムピークが発生しPbLβが確認できません。
このため、10.5 keVのピークがAsによるものかPbによるものかが判別できません。
2次フィルターによる結果

Feのサムピークが低減されます。
PbLβがほとんどないことが分かり、10.5 keVのピークは、Asであることが分かります。
また、11~12.5 keV帯にあった、小さなサムピークもなくなり、AsKβを確認することもできます。
サムピーク除去ソフトによる結果

さらに、サムピーク除去ソフト(オプション)を使用すると、Feのサムピークがさらに抑制されて、サムピークのない本来のスペクトルが現出します。
このスペクトルから、PbLβが微量ながら存在することが分かります。
2次フィルター+サムピーク除去+スマートFP法による分析結果
スマートFP法では、PbのLα線及びLβ線、AsのKα線及びKβ線のすべてのピークを利用して定量を行います。このため、PbのLαとLβの強度比およびAsのKαとKβの強度比に応じて10.5 keVのピークを分離し定量を行うため、高精度な定量行えます。
元素 | 認証値(ppm) | 分析結果(ppm) | 検量線法による結果(ppm) |
---|---|---|---|
Pb | 38 | 44 | 1630 |
As | 920 | 884 |
※ 分析値はフィルターFP法(オプション)を使用時の値です。RoHSソリューションでは、Pbの結果のみ同等の分析値が表示されます。
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