強磁性薄膜とスピン流 (3) - サンプリングの例 -
ER190004
電子スピンに依存した半導体素子の再結合電流や逆スピンホール効果に伴う起電力をESR装置を用いて測定する手法は、一般的に電気検出磁気共鳴(Electrically detected magnetic resonance: EDMR)と呼ばれます。
EDMRでは、信号をマイクロ波の反射量で検出せずに、素子に電極を施すことによって、その電位差を計測します。したがって、測定に際して素子への電極やリード線の配線準備が必要になります。
ここでは、逆スピンホール効果測定用の試料を用いて、ごく簡単な配線から試料管製作への手順の一例を紹介します。
薄膜素子への電極作製と測定用試料管の製作例

Φ5の試料管に充填しやすいように、薄膜素子の横幅は3 mm程度にカットした方がよい。

接着に使うリード線は、被覆を剥離剤で除去した後、薄膜の両端に仮固定する。

市販の銀ペーストを少量、つまようじなどを使って、スポット滴下して接着する。
図1. 素子への電極リード線の接着例