超高速MASの開く新規測定:固体微量試料の14N NMR測定のご紹介
NM100003
固体微量有機試料の超高速14N NMR測定をご紹介します。窒素は材料、生体試料など幅広い分野で重要な役割を果たしています。しかしながら、窒素原子の 99.6%を占める14NはI=1の四極子核であるためNMR測定が困難であり、窒素核の測定には高価な15Nラベル試料が必要とされてきました。ここでは、弊社で開発いたしました80 kHzもの試料回転を実現する1mm MASプローブにより微量固体試料 の高感度・高分解能測定が実現しましたので、ご紹介します。わずか0.8 uLのペプ チド(グリシルLアラニン)を用いて、2分で測定が実現しました。二つの窒素が明瞭に分離して観測されました。また、14N次元の分離を利用してわずかな1H化学シフト の差も観測されています。

本開発は独立行政法人科学技術振興機構による産学イノベーション加速事業【先端計測分析技術・機器開発】の支援を得て行われております。
本研究は東京農工大学の朝倉教授および山内博士との共同研究の成果です。