検出コイル及びプリアンプを極低温に冷却することにより熱雑音を低減し、従来の室温プローブと比較して数倍高い感度で測定が可能です。 オートチューニングユニットとの併用により、多種多様な連続測定が可能です。
極低温プローブ (COOLプローブ) は、以下の3タイプがランナップされています。
・UltraCOOL プローブ (UC: UltraCOOL)
・SuperCOOL開放型タイプ (SCO: SuperCOOL Open)
・SuperCOOL循環型タイプ (SCC: SuperCOOL Closed)
いずれのプローブも、試料温度を非常に広い範囲 (-40°C~150°C) で制御することができます。オプションにはプローブの交換作業をサポートするプローブリフターとプローブアームを用意しており、これらサポートユニットを使用することにより、固体プローブなど他のプローブとの併用も可能です。
特長
Type | 冷却方式 | サンプルコイル温度 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
UltraCOOL | UC | Heガス循環 | ≒20K | 極低温による高感度 |
SuperCOOL | SCC | Heガス循環 | ≒50K | UCに比べて約1/4のランニングコスト
冷却システムへの冷媒の充填作業が不要 SCOに比べて感度が高い |
SCO | 液体窒素 | ≒77K | リーズナブルな導入及びランニングコスト
冷却材に液体窒素を使用 液体窒素の充填時も連続測定が可能 |
UltraCOOLプローブ
UltraCOOLプローブは、極低温プローブの特長である超高感度測定だけではなく、ポリマーなどの分析に必要となる安定した高温測定が可能です。 長い実績のあるオートチューニング・マッチングにも対応しています。
SuperCOOLプローブ
検出コイル温度を液体窒素温度に冷却することで、ランニングコストを大幅に削減しました。
UltraCOOLプローブと比較して低価格ながら、室温コイルのプローブと比べ13Cで約3倍の高感度化を達成、測定時間を1/9程度まで短縮することが可能となりました。
SuperCOOLプローブは、液体窒素タンクを使用した開放型と、空冷式冷凍機を使用した循環型の2通りの冷却方式を選択できます。開放式は冷凍機を必要としないため、ランニングコストに優れています。冷却能力がより高く感度で勝る循環式は、冷媒の補充を必要としないため連続運転能力に優れています。
SuperCOOL Open
SuperCOOL Closed
29Si バックグラウンドフリー
日本電子のCOOLプローブは、プローブ構成物由来の29Si バックグラウンド信号が大きく低減しています。ガラス材料系の測定時にバックグラウンド信号に邪魔されることなく測定することが出来ます。以下のスペクトルでは、試料管なしではバックグラウンド信号が著しく低減しており、バックグラウンド信号の大半は試料管由来である事がわかります。
10wt%水ガラス / D2Oの29Si NMRスペクトル
SuperCOOLプローブと5 mm PTFE製試料管の組み合わせで測定した29Si NMRのスペクトルです。-100 ppm付近のバックグラウンド信号が出ないため高磁場側の信号もしっかりと確認できています。
プローブアームとプローブリフター
極低温プローブは安全上の問題から冷却状態での昇降は現実的なものではなく、かつてはプローブを室温に戻す手間や時間が必要でした。プローブアームやリフターを使用することにより、冷えたままの状態のUltraCOOLプローブやSuperCOOLプローブを交換することができます。UltraCOOLプローブやSuperCOOLプローブは、その性質上室温プローブよりも重量がありますが、プローブアームを用いることで容易に交換可能です。
プローブアーム
プローブリフター
◆上のボックス内の再生ボタンをクリックするとムービーが始まります。 (44秒) ◆
開発秘話
極低温プローブ「UltraCOOLプローブ」「SuperCOOLプローブ」の開発
アプリケーション
ultracool_supercoolに関するアプリケーション
測定時間を大幅に短縮!ローコスト、省電力な高感度プローブ SuperCOOL プローブ