食品中残留農薬迅速一斉分析の検討(2) 「定性分析」 : GC大量注入法と、高分解能TOFMSを用いて [GC-TOFMS Application]
MS Tips No.143
今日『食の安全』は世界的な規模で取り組むべき重要な課題であり、各国においては食品中残留農薬の基準値を設定し、独自の残留農薬規制を策定しています。日本では平成 18 年 5 月末日にポジティブリスト制が施行されましたが、人の健康を損なう恐れのない量、いわゆる一律基準としては 0.01ppm が採用されています。食品中の残留農薬について精度良く定性/定量分析を行うには前処理操作が必須ですが、今回、前処理方法としては、抽出操作に『QuEChERS法(Qu(迅速)E(簡便)Ch(安価)E(効果的)R(堅牢)S(安全))』を、そして次工程の精製操作に『固相カートリッジ法』を組み合わせたSTQ法(Solid Phase Extraction Technique with QuEChERS method)を用い、実試料としては生姜を用いました。GC/MS としては、スペクトルモードによる高速・高感度・高分解能・高質量精度な測定が可能な日本電子製 GC-TOFMS“JMS-T100GCV” を用い、試料導入には冷媒不要で高速昇温/高速冷却が可能なアイスティサイエンス社製 GC 大量注入装置 “LVI-S200” を用いました。本 MSTips では、標準試料及び実試料中の農薬成分の定性分析について紹介します。
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