試料角度回転装置 (ES-12010) のご紹介
ER210001
試料角度回転装置 (ES-12010)
単結晶の試料の角度を自動で変えながらESR測定を行える試料角度回転装置 (ES-12010) をご紹介します。この装置では、キャビティー内に設置した試料の角度を任意の値に設定して測定することができます。回転させる角度は分光計から制御します。温度可変装置 (ES-13060DVT5) や液体ヘリウム温度可変装置 (ES-CT470) との併用が可能です。
構成
- 制御プログラム
- 試料管 (外径 3 mm / 外径 4.75 mm)
- サンプルホルダー (外径 3 mm 用 / 外径 4.75 mm 用)
測定例
市販のルビーの単結晶を用いて 1° 刻みで角度を回転させながら室温にて ESR測定した例を図 1、2 に示します。ルビーは Al2O3 に微量の Cr2O3が含まれる単結晶で、Cr3+ は Al3+ 位置に置換して入っていることが知られており、観測される ESR 信号は Cr3+ の信号となります。ルビー中の Cr3+ の ESR 信号の角度依存性を調べることにより、Cr3+ を囲む電子状態、すなわち結晶場についての情報が得られます。

図 1. ルビーの単結晶の角度回転スペクトル (1° 刻み)
0 ~ 180° の 2D スペクトル

図 2. ルビーの単結晶の角度回転スペクトル (1° 刻み)
0 ~ 180° の 3D スペクトル
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