Operando Battery プローブ
NM250010
電池材料開発において、LiやNaを直接観測できるNMRは構造や反応プロセスの解析に広く用いられています。Operando Batteryプローブは充放電サイクル中に発生するプロセスをその場で測定することができます。
Operando Battery Probe
Operando NMR cell
Pseudo Goniometer

Operando NMRセルは、0°、30°、60°、90°の4段階で角度調整が可能です。磁場に対する試料の角度を変えることで、配向情報の取得や信号の同定に役立ちます。右図は、Li電極とLiデンドライト信号の角度依存性を示しています。両信号ともLi金属由来であるため、近い位置に現れますが、デンドライトは数μmの針状Li金属が磁場に対して様々な方向に成長するのに対し、電極は表皮効果により表面のみから信号が検出されます。その結果、電極の信号は角度依存性が大きくなります。

測定例1 デンドライト観測
NMRはLiデンドライトを電解質や活物質中のLiを区別して観測できる唯一の分析法です。Operando Battery プローブを用いることで、電池内でのデンドライトの発生/消失をリアルタイムで観測することができます。ここでは、過充電によりデンドライトが発生している様子を7LiオペランドNMR測定により、観測しています。デンドライト信号はナイトシフトにより、270ppm付近に現れています。用いた電池は両電極ともLi金属のLi対称セルで、Li電極の信号もナイトシフトにより近くに観測されますが、磁場に対する方向の違いから異なる位置に信号が現れ、両者を区別して観測できます。
Sample: Li symmetric cell
Li / glass filter / Li
Current collector: Cu
electrolyte: 1 M LiPF6/ EC+ DMC (3:7 v/v) 60µL
Measurement condition
ECZL-500G
7Li 90 pulse width = 12us
Frip angle =45 deg
Relaxation delay =5s
Scans =8 / 1 spectrum


測定例2 グラファイトにおけるLiイオンの挿入/脱離
グラファイトは、低い電位と高い安定性を有することから、リチウム電池の負極材料として最も一般的に用いられる層状化合物です。充電過程では層間にLiが挿入され、放電過程では脱離します。オペランド測定により、充放電に伴うグラファイトへのLiの挿入・脱離の様子をリアルタイムで観察することができます。 ここでは、対極にLi電極を用いたハーフセルの7LiオペランドNMRスペクトルを示します。ハーフセルでは、Liの方が電位が低いため、Li電極が負極、グラファイトが正極となります。放電時には、40 ppm付近にグラファイトに挿入されたLiの信号が観測され、充電時にはその信号が消失し、代わって250 ppm付近に新たな信号が現れました。このことから、充電によりグラファイトからLiが脱離し、Li電極にLiが析出していることがわかります。
Sample: Li graphite half cell
Li-Graphite half cell
Li / glass filter / Graphite:PVdF=90:10 (w/w)
Current collector: Cu
electrolyte: 1 M LiPF6 / EC+ DMC (3:7 v/v) 120µL
Measurement condition
ECZL-500G
7Li 90 pulse width = 12us
Frip angle =45 deg
Relaxation delay =5s
Scans =256 / 1 spectrum


試料作製および測定ご協力:産業技術総合研究所 伊藤優汰博士
