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臭素化難燃剤 : ポリ臭素化ジフェニルエーテル (PBDEs) の GC/MS 分析 (2) :JMS-700とJMS-K9によるOcBDEの感度比較 [GC-QMS & JMS-800D Application]

MS Tips No.025

欧州連合 (EU) では、環境汚染を未然に防ぎ、かつ資源の有効活用を目的とした廃電気電子機器リサイクル指令 (Waste Electrical and Electronic Equipment: WEEE) や特定危険物質の使用制限指令 (Restrictions on Hazardous Substances: RoHS) といった画期的な法整備が進められており、昨年の10月に両法案は調停委員会にて合意に達しました。WEEEでは、冷蔵庫をはじめとする大型家電製品から自動販売機までの10種類の電気製品が対象となり、また RoHS では、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBBs (ポリ臭素化ビフェニール) そして PBDEsの6種類の化合物が使用規制物質となっています。したがって、これらの指令に関連して電気電子機器のどの部位に、どの程度の量の規制物質が使用されているかを把握することは、今後、これらの電気電子部品を廃棄・再資源化する場合には不可欠となります。また電気電子機器メーカーにとっては、RoHSの適用後の製品について、規制物質の含有の有無を確認する工程が必要となります。難燃剤はプラスチック材料の中に添加、もしくは化学結合させることにより、燃焼速度の低下や抑制といった難燃効果を発揮させるための化学物質です。なかでも臭素系難燃剤は、他の難燃剤と比べて難燃効果や価格の点で優れているため幅広く使用されており、PBDEsはそのひとつです。PeBDEsは、環境汚染物質として人の健康への影響が懸念されているポリ塩素化ビフェニル (PCBs) やヘキサクロロベンゼン (HCB) といった塩素系化合物と化学構造が非常に類似しており、それらと同等の毒性を有することが懸念されています。さらに Noren, Kらは、母乳中から検出された臭素系難燃剤の濃度が、経年的に増加傾向にあることを報告しています。また臭素系難燃剤は、加熱や燃焼によってPBDDs/PBDFsを大量に生成することが実験的に認められています。PBDEsの測定法は正確には確定していませんが、適切な溶媒に溶解する溶媒抽出、もしくは非溶解性試料では粉砕後のソックスレ−抽出等による前処理を行った後、GC/MSによる測定が有力と考えられます。しかし、最も臭素が多く置換した10臭素化ジフェニルエーテル (DeBDE) では、分子量が 950 程度と大きくなるため、感度及びキャリブレーション等の点で注意が必要であり、QMSであるJMS-K9でも測定は可能ですが、やはり GCmate™IIや JMS-700といった二重収束型のMSが性能的に有利です。そこで今回、OcBDEを試料として、高分解能MSであるJMS-700とQMSであるJMS-K9の2種類の装置を用い、それぞれの装置における検出感度の比較を行いました。表1に比較検討内容とGC/MS測定条件を示します。
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