超高分解能ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡JSM-7610FPlusを販売開始-極微細構造の観察と微小領域の分析を可能にする高性能FE-SEM-
2017/09/06
日本電子株式会社(代表取締役社長 栗原 権右衛門)は、超高分解能ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡JSM-7610Fをリニューアルし、JSM-7610FPlusとして2017年9月より販売を開始しました。
開発の背景
走査電子顕微鏡はナノテクノロジー、金属、半導体、セラミックスや医学・生物学の分野など、様々な分野で活用され、益々その用途を広げています。先端材料の構造微細化が進み、高分解能観察条件で材料解析を行いたいというニーズに応えるため、ご好評をいただいてきましたJSM-7610Fのさらなる分解能向上を目指し、電子光学系を見直すことでこれを実現しました。
セミインレンズ形の対物レンズと、大電流を安定して得られるインレンズショットキー電界放出形電子銃の組み合わせで、超高分解能観察と高空間分解能分析を両立します。
主な特長
- 高空間分解能を可能にするセミインレンズ形対物レンズ
電子線を細く絞れるセミインレンズ形対物レンズを搭載し、低加速電圧でも高い分解能を得ることが可能です。 - GENTLEBEAM™モードによる低加速電圧での最表面観察
GENTLEBEAM™モード(GBモード)は、試料にバイアス電圧を印加することで、電子ビームを試料の直前で減速させる機能で、低加速電圧での観察、分析に威力を発揮します。 - r-filterによる信号選別
r-filterにより、電子ビームを照射することで試料から発生する二次電子、反射電子の信号を選別して検出します。 - LABE検出器(オプション)による低角度反射電子像
LABE(Low Angle BE)検出器は低角度の反射電子を検出します。低加速電圧では試料表面の微細な凹凸情報を、高加速電圧では試料の組成情報を観察可能です。 - High Power Optics
大電流で高い安定性を備えたインレンズショットキー電界放出形電子銃と全電流範囲で自動的に電子ビーム径を最適化する開き角自動最適化レンズ(ACL)の組み合わせで、安定した観察と分析が可能です。 - 様々なニーズに応える多種多様なアタッチメント
EDS(エネルギー分散形元素分析装置)だけでなく、WDS(波長分散形元素分析装置)、CL(カソードルミネッセンス)など、様々な分析のニーズに対応可能です。
主な仕様
二次電子像分解能 | 0.8nm(加速電圧15kV) 1.0nm(加速電圧1kV GBモード) 分析時 3.0nm(加速電圧15kV、WD8mm、照射電流5nA) |
倍率 | ×25~×19,000(LMモード) ×130~×1,000,000(SEMモード) |
加速電圧 | 0.1kV~30kV |
照射電流 | 数 pA~200nA |
電子銃 | インレンズショットキー電界放出形電子銃 |

本体標準価格
71,000,000円~
販売予定台数
50台/年間