2017/10/05

今年のノーベル化学賞は、クライオ電子顕微鏡法を開発したスイス・ローザンヌ大学のジャック・デュボシェ教授、米コロンビア大学のヨアヒム・フランク教授、英MRC分子生物学研究所のリチャード・ヘンダーソン プログラムリーダーの3氏に贈られました。

クライオ電子顕微鏡の実力が最初に注目されたのは、藤吉好則氏(名古屋大学客員教授、株式会社CeSPIA取締役)と当社が開発した極低温電子顕微鏡を用いて藤吉氏のグループがアクアポリンの構造を最初に解明し、アクアポリン発見者のピーター・アグレ氏が2003年にノーベル化学賞を受賞した時でした。この時は顕微鏡自体にはあまり注目が集まりませんでしたが、このたびの受賞は、クライオ電子顕微鏡法そのものに受賞理由があり、クライオ電子顕微鏡の黎明期から約30年に亘り、開発に携わってきた当社としても非常に嬉しい受賞です。

電子線が照射された際に起こる分子や原子の動きを抑えるためには、できるだけ低い温度で試料を冷却することが有効であることが知られていますが、最近では、高速に撮影できるカメラの進歩により液体窒素温度でも実用的なクライオ電子顕微鏡が主流になってきています。

また、ヘンダーソン氏や藤吉氏らが苦労を重ねた黎明期においては、タンパク質の二次元結晶による構造解析が主流でしたが、近年は、フランク氏が開発した結晶化が不要な単粒子解析法が主流となっています。

当社が、この4月、6月に発表した電界放出形クライオ電子顕微鏡 JEM-Z200FSC、JEM-Z300FSCは、約30年に亘り培った極低温電子顕微鏡技術とノウハウをもとに、難波啓一氏(大阪大学特任教授)のご協力のもとで開発された最新鋭のクライオ電子顕微鏡であり、今後、創薬開発や生体機能の解明に期待が寄せられております。

また、2017年4月17日には、当社は藤吉氏との共同出資により株式会社CeSPIAを設立しました。株式会社CeSPIAでは、創薬の構造解析の受託事業、研究・開発コンサルタント事業、検査事業を展開しております。

関連リンク