2019年ノーベル化学賞受賞に寄せて
公開日: 2019/10/10
日本電子株式会社(代表取締役会長兼CEO:栗原 権右衛門、代表取締役社長兼COO:大井 泉)は、「リチウムイオン二次電池」の発明によって2019年ノーベル化学賞を授与されることが決定した旭化成株式会社吉野彰名誉フェローへ心よりのお祝いと長年に亘るご研究に対し敬意を表します。
現在では日常的に利用され、生活必需品と言っても過言ではないリチウムイオン二次電池ですが、その原型は2000年ノーベル化学賞を受賞された白川英樹名誉教授によって発明された導電性ポリマーを負極材に、今回のノーベル化学賞を共同受賞された米テキサス大学ジョン・B・グッドイナフ教授らが発見したリチウムと酸化コバルトの化合物であるコバルト酸リチウムを正極材に用い、吉野彰氏らによって1983年に初めて創出されました。吉野彰氏らはこれをさらに改良し、1985年には負極に炭素材料を用いるリチウムイオン二次電池の基本概念を確立されました。また、実用化を達成されるにあたっては、安全性を確保するための機能性セパレータなど、リチウムイオン二次電池を構成する種々の技術を開発されました。これらのご研究に当社製品のNMR(核磁気共鳴分光装置)をご活用いただきましたことは当社にとりましても光栄の極みです。特にポリマー中でのリチウムイオンの挙動を明らかにするご研究では、当社が発行する定期刊行物にもご寄稿いただいております。
当社は、吉野氏の受賞をお祝いいたしますとともに、本分野に貢献できる装置や技術の開発にさらに邁進してまいります。
関連リンク
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当社定期刊行物「日本電子news」 Vol.40, 2008 に吉野彰名誉フェローから寄稿いただいております。 - アプリケーションノート
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