急速凍結法(含水試料の凍結)
良好な急速凍結により、凍結の影響による微細構造の変化を最小限に抑えることができます。
抗原の抗原性の保持が可能になります。
含水量が高いサンプルが、氷晶生成による影響を受けずに凍結することができます。
凍結のみのご依頼も承っております。凍結したサンプルは液体窒素中で、安全に運搬・保存が可能です。(ドライシッパー等の運搬・保存容器は、お客様負担となります。)
対象となる手法
- 凍結割断レプリカ法
- クライオミクロトーム法
- 凍結置換法
- クライオSEM法
- 凍結乾燥法
- クライオTEM法
- 各種凍結技法
浸漬凍結法(スラッシュ窒素)

スラッシュ窒素作製装置(SNP)
固体窒素と液体窒素の混在した状態である、スラッシュ窒素を用いて浸漬凍結すると、液体窒素の沸騰現象が起こらないため、良好な凍結を行うことができます。
サンプルサイズに制限がないため、大きなサンプルの凍結も可能です。
弊社の凍結割断レプリカ法では、特に指定がない場合、この方法を用いて凍結しております。
急速凍結法(液体エタン)

CPC
TEM用グリッドに載せたサンプルを良好に凍結することができます。
クライオTEM法や、凍結乾燥法、ネガティブ染色凍結乾燥法などに効果的です。
加圧凍結法

LEICA EM-PACT2
高圧下(2000mbar)で液体窒素を噴射することでサンプルを急冷し、広い範囲(~200um)で氷晶のない凍結を可能にします。
氷晶防止剤を用いることのできないサンプルに効果的です。
高圧凍結一回毎に、圧力と冷却速度のグラフが得られますので、確実な急速冷却がなされていることを確認することができます。
氷晶による影響
サンプル:エマルション

氷晶の生成:あり
氷晶の隙間に粒子が凝集し、本来の分散状態を反映していません。

氷晶の生成:なし
液中における、試料本来の分散状態が観察されます。
サンプル:ほうれん草

氷晶の生成:あり
氷晶の隙間に粒子が凝集し、本来の分散状態を反映していません。
加圧凍結法と浸漬法の比較
サンプル:肝臓(マウス)

化学固定+浸漬法

加圧凍結法
加圧凍結法では組織の膨潤もなく、細胞内基質も保持されています。