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イメージング質量分析法と走査型電子顕微鏡による指紋分析 [MALDI Application]

MSTips No.208

マトリックス支援レーザー脱離イオン化を用いたイメージング質量分析法(MALDI-Imaging)は, サンプル表面の有機化合物の分布を可視化できる最先端の質量分析法である。主に凍結組織切片表面の脂質・ペプチド・薬剤とその代謝物などを中心にアプリケーションを拡大している。MALDI-Imagingでは, レーザーをサンプル表面上で2次元に走査し, 各レーザー照射位置におけるマススペクトルを取得する。この2次元の位置情報を持つマススペクトル群を解析することで, 特定の分子量をもつ有機化合物のサンプル表面の分布を, マスイメージとして示すことができる。
JMS-S3000 SpiralTOF (Fig. 1) は, JEOL独自のらせん軌道型イオン光学系を採用している。従来のリフレクトロン型イオン光学系より5-10倍長い17mの飛行距離を有しており, 世界最高の質量分解能と質量精度を誇るMALDI-TOFMSシステムである。SpiralTOFを用いたMALDI-Imagingでは, 高質量分解能の定性分析および夾雑物の影響をほとんど受けない化合物分布の取得を同時に行うことができる。本調査では, SpiralTOFを用いた喫煙者・非喫煙者の指紋のMALDI-Imaging分析結果を報告する。また, JEOL JSM-7800Fサーマル電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM) (Fig. 2)によって, 喫煙者の指紋も観察した。
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