GC-MS Application: GCxGC-HRTOFMSを用いたアロマオイル分析 - FIイオン化法によるジオール及びトリオール化合物の分子イオン検出-

  • 概要

MSTips No.233

今回、GC×GC-HRTOFMSシステムを用いて、アロマオイルの一種であるTea Tree Oilの分析を行った。イオン化法は、EI法に加えてソフトイオン化法であるFI法も用いた。EI法や代表的なソフトイオン化法であるCI法では分子イオン検出が困難なジオール及びトリオール化合物について、FI法を用いることで分子イオンを確認することが出来たので報告する。

測定方法

測定条件を Table 1 に示す。試料は、市販のTea Tree Oilをそのまま使用した。

【Table 1 Measurement condition】
Instrument AccuTOF™ GCv 4G
KT2006 thermal modulator (ZOEX)
1st column BPX5, 30m x 0.25mm, 0.25μm
2nd column BPX50, 2m x 0.1mm, 0.1μm
Modulator period 4 sec
Inlet mode Split200:1, 0.2μL
Oven temperature 50°C(3min) -> 5°C/min -> 270°C(8min)
Ionization mode EI+ (70eV, 300μA)/ FI+ (8mA, 5msec)
m/z range m/z 35-600
Spectrum recording speed 50 spectra/sec 

結果

Fig.1に、EI法で得られた2D TICクロマトグラムを示す。 2D TICクロマトグラム上には、NISTライブラリーデータベース検索によって定性した化合物名と構造を示した。今回のカラムセットでは、1stカラムに微極性、2ndカラムに極性カラムを使用しており、横軸方向は沸点順、縦軸方向は極性順で、それぞれの成分が溶出する。 横軸の保持時間12分から30分にかけて、環式及び非環式モノテルペン類、そしてモノテルペンアルコール類がそれぞれグループ別に観測出来た。また、25分~35分にかけては、環式セスキテルペン類及び環式セスキテルペンアルコール類がそれぞれ観測出来た。

Fig. 1  GCxGC/EI TIC chromatogram
【Fig. 1  GCxGC/EI TIC chromatogram】

Fig.2に、EI法に加えてFI法で得られた2D TICクロマトグラムを示す。EI法及びFI法共に相関のとれた良好な2D Mapが得られた。この2D Mapより、横軸の保持時間21分から30分の範囲で、また縦軸の保持時間1.2秒から2.0秒にかけてテルペン系のジオール化合物群が検出されていることが分かった。また、横軸30.4分、縦軸2.06秒のところには、トリオール化合物も検出されていた。
Fig. 2  GCxGC/EI and GCxGC/FI TIC chromatograms
【Fig. 2 GCxGC/EI and GCxGC/FI TIC chromatograms】

Fig.3にジオール化合物、Fig.4にトリオール化合物のマススペクトルの例を示す。EI法では分子イオンが検出しずらい化合物でも、FI法で測定することで、分子イオンが明瞭に検出できることが確認された。また、FI法によるマススペクトルで検出された各分子イオンの精密質量から、組成推定を行った結果、テルペン類のジオール及びトリオール化合物の分子組成を示唆する良好な結果が得られた。

Fig. 3 EI and FI mass spectra of a diol compounds
【Fig. 3 EI and FI mass spectra of a diol compounds】
Fig. 4 EI and FI mass spectra of a triol compounds
【Fig. 4 EI and FI mass spectra of a triol compounds】

今回、GC×GC-HRTOFMSシステムを用いて、アロマオイルの一種であるTea Tree Oilの分析を行った。 イオン化法は、EI法に加えてソフトイオン化法であるFI法も用いたEIマススペクトルを用いたNISTライブラリーデータベース検索による成分同定に加えて、ソフトイオン化法FI法を用いて分子イオンを確認をすることで、より確度の高い定性分析を行うことが可能となる。

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