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熱分解 GC-MS法によるシリコンゴム中の低分子環状シロキサンの分析 [GC-QMS Application]

MSTips No.247

概要

低分子環状シロキサンはシリコンゴムの主原料であり、その大部分は重合反応により消費される。低分子状態で残存したシロキサンはその後の加熱減圧工程で除かれ、一般的には残留量は3%以下である。一方で電気電子機器の分野では、シリコンゴムから揮発した低分子環状シロキサンがリレーやコネクタなどの接点不良を引き起こすことが知られており、1%以下のものが選択されている。今回は四重極型質量分析計JMS-Q1500GCに前処理装置として固体試料の測定が可能なパイロライザー(Py)を接続し、シリコンゴム中の低分子環状シロキサンを分析したので紹介する。

実験

実試料としてGC/MSの分析に用いられるクリンプバイアル用のシリコンゴムセプタムを1mg秤量し測定した。また簡易的な定量用の標準試料としてデカメチルシクロペンタシロキサン(Si 5量体)を用い、メタノールで100ppmに希釈後マイクロシリンジで10μL採取し測定した。Py/GC/MSの測定条件をTable1に示す。

Table 1. Measurement conditions of Py/TD-GC-MS

Py
Furnace temp. 80°C→20°C/min→350°C (1min)
GC
Column ZB-5MSi  (Phenomenex社製)
30m x 0.25mm i.d., 
Film thickness 0.25μm
Injection port temp. 300°C
Oven temp. 40°C→10°C/min→300°C(15min)
Injection mode Split 10:1
Carrier gas He, 1mL/min
MS
Ion source temp. 250°C
Interface temp. 300°C
Ionization mode EI, 70eV
Ionization current 50μA
Relative EM voltage +200V
Measurement mode Scan
Scan range m/z 50~1000

結果

測定結果のTICクロマトグラムをFigure2に示す。実試料における低分子環状シロキサンピークの面積値総和を標準試料におけるSi5両体の面積値と比較することで簡易的に定量すると、Si10量体までで0.6wt%、Si20量体までで2.0wt%と算出された。

TIC chromatograms

Figure1. TIC chromatograms

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