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カセットテープ表面の直接分析 [DART Application]

MSTips No.D026

DART(Direct Analysis in Real Time)は、気体、液体、固体といった様々な状態の試料が分析できるという特長を持つ。従って、抽出などの前処理が必要な物質表面の成分に対する分析も、前処理無しで直接分析が可能となる。
今回はDARTの特長を活かした例として、有機成分の潤滑剤が使用されているカセットテープの表面を、前処理することなく DART測定を行い、3社の表面の成分比較を試みたので、その結果を紹介する。

テープの DART 測定中の写真

Fig.1 テープのDART測定中の写真

測定条件

イオン化法:DART(-)
使用ガス:He
ガスヒータ温度:100℃

測定方法

4cmに切断したカセットテープをDART用サンプルホルダで固定して測定(Fig.1)

各社の DART マススペクトル

Fig.2 各社のDARTマススペクトル

測定結果と考察

A社ではm/z 199、B社ではm/z 255、C社ではm/z 227がベースピークとして観測された(Fig.2)。
これらイオンを精密質量からの組成推定を行った(Table 1)。組成推定結果より、これらの成分は潤滑剤として使用される脂肪酸であると推測される。

まとめ

抽出などの前処理が必要であったテープなどの物質表面成分の直接定性分析を、DARTを使用することにより簡便に行う事が出来た。

イオン 実測値 理論値 エラー値(10-3u) 推定組成式
A m/z 199 199.1702 199.1698 0.4 C12H23O2
B m/z 255 255.2324 255.2324 0.0 C18H31O2
C m/z 227 227.2017 227.2011 0.6 C14H27O2

Table 1 組成推定結果

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