• 概要

日本電子News Vol.42, 2010 光岡 薫
産業技術総合研究所 バイオメディシナル情報研究センター

単粒子解析を用いれば、結晶を作製することなしに、生体高分子の高分解能立体構造を得ることができる。電子顕微鏡を用いた高分解能構造解析の主要な障害の一つに電子線照射による試料損傷があるが、低温に試料を冷やすことで、電子線損傷を低減できる。単粒子解析で電子線損傷を低減してより高分解能の構造解析を行うため、新たに単粒子解析用に開発された、液体ヘリウムで試料を冷やすことができる極低温電子顕微鏡を用いて、我々は二つの異なる試料を用いた単粒子解析研究を行った。その研究のため、極低温電子顕微鏡を用いたチューブ状結晶からの高分解能の像収集のための試料調製技術を改良して用いた。一つの試料は、好熱菌からのシャペロニン基質複合体で、我々は、複合体内でフォールディング中の基質に対応するマップを観察することができた。もう一つの試料は、膜タンパク質ヒト赤血球バンド3のチューブ状結晶で、らせん対称性を持つ試料のために単粒子解析法を改良したIHRSR(iterative helical real-space reconstruction)法を用いて三次元再構成を行った。これらの二つの例から、単粒子解析により、多様な試料の三次元構造が得られることを示すことができた。
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