SpiralTOF™を用いたMALDI-Imaging測定におけるm/zの安定性
MSTips No.193
マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)イオン源と飛行時間型質量分析計(TOFMS)を組み合わせたMALDI-TOFMSでは、試料を載せるターゲットプレート上のレーザー照射位置が飛行時間の始点となる。そのため、試料表面上の微細な構造や、試料表面の凹凸などにより飛行時間が変動し、観測されるピークのm/zの変動につながる。そのため、リフレクトロン型TOFMSによるマスイメージングでは1 u以下の質量分離は難しい。JMS-S3000 “SpiralTOF™”は、らせん状のイオン軌道をもち、限られた空間内に17mと長い飛行距離を実現した。その飛行距離は、リフレクトロン型TOFMSと比べて5~10倍程度あり、試料表面上の微細な凹凸による観測されるピークのm/zの変動が十分に小さく、高い質量分解能を達成できる。今回はマウス脳組織切片の脂質についてマスイメージング測定を行い、質量安定性の検証を行った。
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