第4回 SXESスクール
2021年12月1日 (水) ~ 2022年1月19日 (水)

本年の「SXESスクール (第4回) 」は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、オンラインでの開催といたします。
今回の内容も今まで同様に、東北大学 多元物質科学研究所 所長 / 教授 寺内 正己 様 より『顕微SXESの基礎知識と利用法 -何をどう見るか?-』のテーマでご講演いただきます。また、今回はオーストラリアCSIRO Nick Wilson 様より『Fundamental aspects of SXES in the Quantification of Minerals and Materials』、京都大学 向井 啓祐 様より『SXESによる核融合材料の分析』、JFEスチール株式会社 田中 裕二 様より『軟X線分光を用いた鋼中微量炭素の状態分析』について、ご講演をいただきます。弊社からは最新の技術情報を講演いたします。
* EPMAは、Electron Probe Microanalyzerの略称です。
WEBに接続できる環境であれば、パソコンからだけでなく、スマートフォンやタブレットからも参加することができます。
皆さまのご参加をお待ちしております。
会期終了に伴い、1月19日 (水) をもって公開を終了しました
ウェビナー
セミナー資料 映像録画 / 録音についてのお願い
- セミナー資料について
恐れ入りますが、資料の再配布・複製をご遠慮いただいております。 - セミナー映像の録画、録音について
恐れ入りますが、セミナー映像の録画・録音・撮影などご遠慮いただいております。
皆様のご理解とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
顕微SXESの基礎知識と利用法 -何をどう見るか?-
特別講演_1
軟X線発光分光 (Soft X-ray emission spectroscopy; SXES) をSEM / EPMAと組み合わせると、非破壊で試料の状態分析マッピングが可能であり、新規材料の評価とその製造へのフィードバックを迅速に行うことが可能となる。まず、SXESでは何を観測しているのか、それから何を知ることができるのかという、実験手法の基礎的な説明を行う。そして、SXES電子顕微鏡を結び付けた時にどのようなことが可能かという事を、実例を用いて説明する。

講師
寺内 正己 様
東北大学
多元物質科学研究所
教授
Fundamental aspects of SXES in the Quantification of Minerals and Materials
特別講演_2
Soft x-ray emission spectrometers (SXES) are enormously useful for identifying light elements and for measuring peak position and shape changes due to chemical bonding. These detectors can also be used to perform quantitative analysis. Compared to traditional WDS and EDS analysis, the SXES detector has both advantages and limitations. This presentation will examine resolution, sensitivity, and noise source differences between SXES and WDS detectors when being use for quantitative analysis.

講師
Nick Wilson 様
CSIRO
Minerals Microbeam
Laboratory
SXESによる核融合材料の分析
特別講演_3
核融合ブランケットには軽元素含有の固体材料 (リチウム酸化物とベリリウム金属間化合物) が装荷され、燃料生産と熱の回収を行う。本発表ではこれらの材料を対象に、SXES用いて価電子構造解析、化学状態マッピングを実施した結果を報告する。また、核融合中性子源ダーゲット (液体リチウム) からの窒素回収を目指した鉄チタン合金の分析結果についても報告する。

講師
向井 啓祐 様
京都大学
エネルギー理工学研究所
助教
軟X線分光を用いた鋼中微量炭素の状態分析
特別講演_4
鉄鋼材料中の炭素は、固溶や析出物等の元素存在形態に応じて強度や延性等の材料特性に大きな影響を及ぼす、重要な合金元素である。そこで、軟X線分光の優れた波長分解能を利用して、鋼中微量炭素の状態分析が可能か検討を行った。また、微量炭素分析においては、分析中の試料汚染 (コンタミネーション) を抑制する技術も重要である。
講演では、コンタミネーションの抑制方法と、実際に鉄鋼材料から取得した種々の鋼中炭素軟X線スペクトルについて紹介する。

講師
田中 裕二 様
JFEスチール株式会社
低エネルギー領域の軟X線とオージェ電子の検出感度比較
SXES_1
オージェ電子収率とX線収率はトレードオフの関係にあるとされ、例えばK線では原子番号10番以下やL線では原子番号20番以下では、100倍もオージェ電子の収率が良い。このため多くの研究者が、低い原子番号、すなわち軽元素ではX線分析は不利であると思われている。実際には軟X線でも高感度に分析が行われ違和感がある。今回実際にいくつかの軽元素に関してX線とオージェ電子の比較を行い、検出感度の傾向を調べたので報告する。

講師
高橋 秀
日本電子株式会社
SA事業ユニット
SA技術開発部
Short Notes: 軟X線ハンドブックVer. 7の紹介
SXES_2
軟X線ハンドブックは版を重ね、Ver. 7に到達しました。前バージョンから更に各種化合物のsurveyスペクトルを増補しただけでなく、Al, Si L線などの化学結合状態 (金属、半導体、絶縁物) によるスペクトル形状変化の解釈、各種分析アプリケーションデータの追加、軟X線周期表など充実した内容です。本発表においてはVer. 7のキーポイントについて紹介をいたします。

講師
髙倉 優
日本電子株式会社
SA事業ユニット
SA技術開発部
鉄鉱物の軟X線自己吸収構造解析法 (SX-SAS)
SXES_3
遷移金属のL線発光スペクトルは化学結合に関わる電子の状態に関する情報を含んでいるが、一方で自己吸収によるスペクトルの変動も報告されており、単に発光スペクトルを比較するだけでは状態分析としての適用が難しい。本研究では、鉄のL線発光スペクトルから算出される自己吸収スペクトルとTEM-ELNESとの比較を行い、吸収端近傍の構造に類似する結果が得られた。新たな状態分析技術として、 軟X線自己吸収構造 (SX-SAS) の解析手法を紹介する。

講師
横山 隆臣
日本電子株式会社
SA事業ユニット
SA技術開発部
お問い合わせ
日本電子株式会社
デマンド推進本部 ウェビナー事務局
sales1[at]jeol.co.jp
※ [at]は@に、ご変更ください。