2017/04/26

日本電子株式会社 (代表取締役社長 栗原 権右衛門)は、新型電界放出形クライオ電子顕微鏡JEM-Z200FSC (CRYO ARM™ 200)を開発し、2017年4月より販売を開始しました。

開発の背景

クライオ電子顕微鏡は、細胞や生体分子を無固定・無染色の状態で観察する手法として確立されてきましたが、近年のハードウェアおよびソフトウェアの急速な進歩により原子レベルでの構造解析手法として重要性を増しています。しかも、膜タンパク質を結晶化することなく解析する技術が導入された結果、創薬研究の観点からも期待が高まっており、大学、研究機関等への導入が加速しています。この度、当社はユーザーの要求に応えるべく、長時間に亘って自動で単粒子解析用画像データを取得可能なクライオ電子顕微鏡CRYO ARM™ 200を開発しました。

主な特長

  • 自動試料交換機構
    液体窒素温度に冷却された試料ステージと試料交換機構間を試料冷却したまま自動移送できるクライオトランスファー機構を備えています。液体窒素は液体窒素タンクに自動供給されます。最大12個の試料を冷却された試料交換装置内に保管することが可能です。保管中の試料は、1個、または複数個取り外しおよび交換を行うことができます。交換される試料以外は冷却されたまま自動試料交換機構に保持されます。
  • 冷陰極電界放出形電子銃
    冷陰極電界放出形電子銃で得られる高輝度かつエネルギー幅の小さい電子ビームは高い干渉性を有するため、高分解能で高コントラストの像観察が可能となります。
  • インカラム形エネルギーフィルター(オメガフィルター)
    インカラム形エネルギーフィルター(オメガフィルター)を装備することにより、エネルギーフィルター像、エネルギー損失スペクトルを取得することができます。ゼロロス像では色収差が低減された高いコントラストの像観察が可能になります。
  • 単粒子解析用自動画像取得ソフトウェア
    単粒子解析用自動画像取得ソフトウェアです。自動的にグリッドホールを検出して、効率的に単粒子画像を収集可能です。
  • ホールフリー位相板(オプション)*1
    コントラストの低い生体試料に対して高いコントラストを与えるのに有効です。
  • 自動調整機能 *2
    オートフォーカス、オートコマフリーアライメント、オートパラレルイルミネーションなどの自動調整機能を使うことで最適な条件で像取得が可能です。

*1: オプションです。 *2: ボトムカメラの画像を使用します。

主な仕様

本体

電子銃 冷陰極電界放出形電子銃
加速電圧 200kV
エネルギーフィルター インカラム形オメガフィルター
最大試料傾斜角 ± 70°
※ ショットキー電界放出形電子銃も構成可能です。

ステージ/自動試料交換機構

試料ステージ
使用冷媒 液体窒素、液体窒素自動供給機構組込み
試料冷却温度 100K 以下
温度測定位置 試料、クライオシールド、LN2タンク
試料移動
X、Y モーター駆動(移動範囲± 1mm)
ピエゾ素子 (移動範囲± 0.5μm)
Z モーター駆動(移動範囲± 0.2mm)
X傾斜 モーター駆動(傾斜範囲± 70°)
試料面内回転 0°もしくは90°
試料交換装置 エアロック方式、
自動制御クライオトランスファー機構組込み
試料冷却温度(交換室) 105K 以下
試料交換カートリッジ 一度に最大4個の試料交換が可能
試料パーキングステージ 最大12個 保持可能
JEM-Z200FSC (CRYO ARM(TM) 200)

なお、最大加速電圧300kVの新製品も併せて近日中の発売を予定しております。

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