株式会社リガクとの電子線回折による微小単結晶構造解析 (MicroED) プラットフォームに関する共同開発のお知らせ
公開日: 2020/05/27
- 当社の透過型電子顕微鏡と、リガクの高感度超高速半導体検出器および単結晶構造解析ソフトウェアを組み合わせることにより、測定から解析までのフローを一体化したMicroEDのトータルソリューションを提供します。
- 両社のコア技術の相乗効果によって生まれる日本発『電子線単結晶構造解析 (MicroED) プラットフォーム』により、最先端の研究の現場で求められているナノメートル・レベルの極微小結晶からの分子構造の解明に貢献します。
日本電子株式会社 (本社:東京都昭島市、以下「当社」) は、X線回折装置 (以下「XRD」) 関連技術開発のリーディング企業である株式会社リガク (所在地:東京都昭島市、以下「リガク」) と電子線回折を用いた微小単結晶構造解析プラットフォームの共同開発に関して合意しました。
単結晶X線構造解析は、無機・有機化合物、蛋白質などの種類を問わず、絶対構造を含め正確な三次元分子構造を決定することができる分析手法です。とくに近年において、単結晶X線構造解析の適応限界を推し進めた要因として、フォトンカウンティング型半導体検出器の発達があります。
X線や電子線による回折現象を利用することにより、多くの無機材料・たんぱく質・低分子などの三次元分子構造を可視化することができます。
近年、得られる結晶サイズが数百ナノメートル以下の極微小結晶の場合もあり、MicroEDと呼ばれる、電子線回折現象を用いた手法が注目されています。
電子回折法は古くからある手法ですが、たんぱく質や有機化合物などに対する電子線によるダメージは大きく、単結晶構造解析を行うのに十分なデータを得ることができず、これまでは実施例が多くありませんでした。しかし、フォトンカウンティング型半導体検出器の著しい進歩により、低電子線照射量かつ短時間で、単結晶構造解析に必要な量と質を持つデータの取得が電子線回折法においても可能となりました。このような理由からMicroEDは、最先端の研究の現場で必要とされている極微小結晶に対する構造解析の手法のひとつとして期待されています。
当社は長年、透過型電子顕微鏡のリーディングカンパニーとして、その装置開発に力を注ぎ世界のトップシェアを獲得しています。
リガクはX線回折装置のリーディングカンパニーとして、長年その装置開発に力を注いでおり、世界のトップシェアを獲得しています。
今回の共同開発により、当社の透過型電子顕微鏡に、リガクの高感度超高速検出器および単結晶構造解析ソフトウェアを組み合わせ、測定から解析までのフローを一体化したMicroEDにおけるトータルソリューションを提供します。
両社のコア技術の相乗効果によって生まれる日本発『電子線単結晶構造解析(MicroED)プラットフォーム』により、最先端の研究の現場で求められているナノメートル・レベルのサンプルの結晶構造の解明に貢献します。
株式会社リガクについて
1951年の創業以来、株式会社リガクはX線と熱分析をコア技術に持ち、分析機器と工業用機器の最先端技術を提供してきました。今日、リガクグループは、国内のみならず、アメリカ・ヨーロッパ・中国を始めとした世界各地の拠点をベースに、汎用X線回折 (XRD)、薄膜分析 (XRF、XRD、XRR)、蛍光X線分析 (TXRF、EDXRF、WDXRF)、小角散乱分析 (SAXS)、蛋白・低分子X線結晶構造解析、ラマン分光分析、X線光学素子、半導体検査 (TXRF、XRF、XRD、XRR)、X線発生装置、CTスキャン、非破壊検査、熱分析の各分野において先進的な役割を担っています。
X線とその周辺技術の膨大な知見を強みとして、お客様との協業関係を築き、学会や産業界を通して、グローバルにパートナーシップ、コミュニケーション、イノベーションを促進してきました。蛋白構造解析、ナノテク開発、汎用X線回折 (XRD)、蛍光X線分析 (XRF)、材料分析、品質保証を含む多種多様な分野に向けて、統合されたソリューションを今後も引き続き提供してまいります。
日本電子株式会社について
1949年に電子顕微鏡の開発会社として発足以来、創造と開発をもとに科学の進歩と社会の発展に貢献するという創業時からの理念を糧に、電子顕微鏡をはじめ、分析機器、医用機器、産業用機器など事業の拡大に努めてまいりました。また、世に先駆け、世界市場を視野に入れた販売、サービス体制の構築に努め、今では数多くの製品が世界のいたるところで使用され、真のグローバル企業として高い評価を頂いております。
今後も時代に即した世界各地の販売・サービス拠点の整備を行い、お客様のニーズに迅速に対応するとともに、当社がコーポレートメッセージとして掲げる「Solutions for Innovation」のもと、お客様の明日への革新を実現する最適のソリューションを提供してまいります。