新型冷陰極電界放出形クライオ電子顕微鏡 "CRYO ARM™ 200 II" (JEM-Z200CA) を出荷開始
公開日: 2022/02/18
日本電子株式会社 (代表取締役社長兼COO 大井 泉) は、タンパク質の単粒子解析法に特化した新型冷陰極電界放出形クライオ電子顕微鏡 "CRYO ARM™ 200 II" (JEM-Z200CA) を開発し、2022年1月より出荷を開始しました。
開発の背景
透過電子顕微鏡は、さまざまなアプリケーションへの対応が求められるため、必ずしも観察目的に最良の設定とならない場合もあります。タンパク質の構造解析においても、トモグラフィー法と単粒子解析法とでは顕微鏡に求められる機能が違います。近年のタンパク質の単粒子解析法の多大な需要に応えるため、単粒子解析法に特化したクライオ電子顕微鏡を再設計いたしました。
CRYO ARM™ シリーズでご好評いただいている冷陰極電界放出形電子銃やクライオ試料ストレージ、インカラム形エネルギーフィルター (オメガフィルター) は踏襲し、新たに高分解能ポールピースを搭載した "CRYO ARM™ 200 II" (JEM-Z200CA) を開発し、供給を開始いたしました。
主な特長
- 単粒子解析法に最適化した電子光学系
高い分解能とコントラストをもたらす、球面収差係数 (Cs) 1.5 mm、色収差係数 (Cc) 1.8 mmのポールピースを新規に設計いたしました。また冷陰極電界放出形電子銃、オメガフィルターを搭載し、前機種よりも高分解能データが期待できます。 - 操作性の向上
オメガフィルターの自動校正機能を搭載し、またフリンジを少なくした照明系を採用し、ユーザビリティをさらに高めました。 - 安定性の向上
真空排気系や冷却系などを改善し、装置の安定性をさらに高めました。
主な仕様
電子銃 | 冷陰極電界放出形電子銃 (CFEG) |
標準加速電圧 | 200 kV |
エネルギーフィルター | インカラム形オメガフィルター (新型Omega Filter) |
試料ステージ冷却温度 | ≤ 100 K |
試料ストレージ | 最大12個の保持が可能 |
オプション | 単粒子解析用自動画像取得ソフトウェア (JADAS 4) 他 |

関連リンク
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