JEOLの電子ビーム方式金属3Dプリンター、Neighborhood 91にて運用を開始
公開日: 2023/10/23
日本電子株式会社(代表取締役社長兼CEO大井泉)(以下JEOL)は、ピッツバーグ国際空港の先端製造生産キャンパスであるNeighborhood 91にある、カンバーランド・アディティブ社(以下CAI)で電子ビーム方式金属3DプリンターJAM-5200EBの運用を開始したことを発表しました。取締役兼専務執行役員の田澤豊彦らが同地を訪れ、開所式に招待した多くのゲストに向けてJAM-5200EBMを紹介しました。
JAM-5200EBMは、わずか6日間という極めて短い期間で据付を完了後、直ちにフル稼働に移行し、北米での目覚ましいデビューを飾りました。JEOLチームはさらに、設置から3週間でAMS7032規格に準拠した造形物を作製してその能力を実証し、さまざまな造形物形状におけるシステムの性能と再現性に関する貴重なデータを取得しました。工場出荷前にAMS7032仕様に準拠した動作認定をすでに完了させていたため、今回CAIにて取得したデータの結果、JAM-5200EBMがAMS7011規格によって電子ビーム方式金属積層造形装置に要求される最小値を満たす能力があることが実証されました。
CAI社のDawne Hickton最高経営責任者(CEO)は、JEOLとその3DプリンターをNeighborhood 91の製造フロアに正式に迎え入れ、次のようにコメントしました。「JEOLとの協力は、Neighborhood 91における先進的積層造形の新時代を意味します。私たちは、JAM-5200EBMの能力を活用し、材料工学と3Dプリンティングの世界で新たな可能性を切り開くことを楽しみにしています」
JEOL USAのRobert Pohorenec社長は、今回のパートナーシップの意義と、JEOLがもたらす積層造形技術の革新的な進歩を強調し、次のように述べました。「JEOLは75年にわたり、電子ビームを利用した画像処理装置と製造ツールのトップサプライヤーであり、定評あるグローバルな顧客サービス組織を有しています。しかし、積層造形装置市場においては、当社は比較的新参者です。Neighborhood 91にてCAI社のような積層造形のリーディングカンパニーと協力する機会は、北米で当社の電子ビーム方式金属3Dプリンターの導入し、顧客サービスへのコミットメントを実証するための完璧なパートナーと場所を提供してくれます」
JAM-5200EBMシステムは、当初はチタン合金のアプリケーションに重点を置きますが、2台目の金属粉末ホッパーとフィーダーシステムを導入することに容易に対応可能です。これにより、純銅やニッケル718合金の部品生産へのシームレスな移行が可能になり、Neighborhood 91とそのパートナー企業に対する可能性の幅を広げることができます。
JEOLは、AMS7032造形の認定基準を満たすことに成功して獲得した知見とその成果を、より多くのコミュニティと共有することに興奮を覚えています。これを促進するため、JEOL USAは11月1日にウェビナーを開催し、この最先端積層造形システムの結果、能力、将来の展望について詳しく説明することを予定しています。加えて、JEOLは11月7日からドイツ・フランクフルトで開催される世界最大級の積層造形(AM)イベントの Formnext 2023 に出展し、業界関係者がJAM-5200EBMの能力を直接体験できる機会を提供する予定となっています。