msFineAnalysis シリーズ 統合定性解析ソフトウェア
- 特長
- アプリケーション
- 関連製品
- more info
特長 STRONG POINT

ライブラリーデータベース検索だけの定性分析から脱却!
msFineAnalysisシリーズ
msFineAnalysisシリーズは、電子イオン化 (EI) 法マススペクトルを用いたライブラリーデータベース (DB) 検索と、ソフトイオン化法マススペクトルによる分子量確認を組み合わせた "統合解析" を行うことができる自動定性解析ソフトウェアです。
整数質量データ解析のための " msFineAnalysis iQ" と、精密質量データ解析のための
" msFineAnalysis" が、解析精度の向上、作業時間の短縮、作業効率の向上を実現します。
統合解析の有用性
GC-MSによる定性解析では、電子イオン化 (EI) 法で取得したマススペクトルを用いたライブラリーDB検索を行うことが一般的です。
下記に、成分AのEI法およびソフトイオン化 (SI) 法で取得したマススペクトルと、EI法マススペクトルを用いたライブラリーDB検索結果を示します。ライブラリーDB検索結果をみると、どの候補も類似度が800以上と高い値を示していることが確認できます。EI法マススペクトルだけで定性解析する場合、成分AはライブラリーDB検索で最も類似度が高い1番目の候補と判断されることが殆どです。しかし、SI法マススペクトルを確認すると分子イオンと推定されるm/z 314が検出されており、成分Aは2番目の候補「Diethylene glycol dibenzoate」であると推定することができます。
弊社では、上記に示したEI法マススペクトルを用いたライブラリーDB検索と、SI法マススペクトル中の分子イオンの解析を組み合わることを"統合解析"と呼んでいます。この統合解析を自動で実施できるソフトウェアがmsFineAnalysisシリーズです。

成分AのEI法マススペクトル

成分AのSI法マススペクトル
No. | 化合物名 | 類似度 | 分子式 | 分子量 |
1 | 2,2'-(Ethane-1,2-diylbis(oxy))bis(ethane-2,1-diyl) dibenzoate | 828 | C20 H22 O6 | 358 |
2 | Diethylene glycol dibenzoate | 821 | C18 H18 O5 | 314 |
3 | Benzoic acid, 2-(3-nitrophenyl)ethyl ester | 810 | C15 H13 N O4 | 271 |
4 | 1,3-Dioxolane, 2-(methoxymethyl)-2-phenyl- | 802 | C11 H14 O3 | 194 |
5 | 3,6,9,12-Tetraoxatetradecane-1,14-diyl dibenzoate | 800 | C24 H30 O8 | 446 |
成分AのライブラリーDB検索結果 上位5候補
GC-MS定性解析ソリューション


定性解析の従来法の課題
- ライブラリーDB検索で類似度が高い候補が複数存在し、1つの結果に絞れない
- ライブラリーDB未登録化合物は同定できない
- 高度な解析には時間がかかる

- EIデータとソフトイオン化 (SI) データを用いた統合解析による絞り込み
- 精密質量解析によるライブラリーDB未登録化合物の同定 (
msFineAnalysisのみの機能)
- データを選択したら、後はワンクリックで結果が得られる操作性
統合解析結果画面
統合解析結果画面では、EI法及びソフトイオン化 (SI) 法クロマトグラムデータと、クロマトグラム情報、スペクトル情報、ライブラリーDB検索と分子イオン解析結果を合わせた統合解析結果の確認が可能です。解析結果一覧で各行をダブルクリックすると個別マススペクトル解析画面が起動し、検索結果と分子イオン解析結果の確認及び再解析が可能です。
さらに、精密質量データ解析が可能な msFineAnalysisでは、ライブラリー未登録の未知成分の分子式推定やEI法による部分構造情報の取得もできます。

msFineAnalysisシリーズの充実したファンクション




2検体比較機能は、縦軸にp値を用いた再現性、横軸に2検体間の強度比を示すボルケーノプロットを採用しており、視覚的に2検体の差異成分を確認することができます。例えば、正常品と不良品を比較して不良品で増減している成分や、新規材料と既存材料を比較して新規材料に特徴的な成分を確認できます。
サンプル間の差異分析を実施した後は、全ての成分に対して統合解析が行われます。
なお、2検体比較機能では、測定データ数として、n=1, 3, 5の設定が可能です。n=1の場合は統計的再現性を評価することはできませんが、差異成分を確認することが可能です。測定データ数を複数用意することが難しい場合でも、本機能を活用できます。



デコンボリューション検出では、TICC上で確認できない微量成分や、1成分のように見えるピーク中の複数成分を検出することが可能です。
多数の成分を自動で一斉に検出できるため、これまでのように抽出イオンクロマトグラム (EIC) をひとつひとつ手作業で作成する必要はありません。

EI: 黒色実線:TICC、灰色ピーク:デコンボリューションピーク (青色は選択中)
SI: 緑色実線:TICC、灰色ピーク:デコンボリューションピーク (青色は選択中)


EIデータ単独での解析も可能です。
サンプル量が少なくソフトイオン化データの測定ができない場合等でも問題ありません。
EIデータからの分子イオンの探索と、ライブラリーDB検索を組み合わせた解析結果を提供します。



リテンションインデックス (保持指標;RI) は、n-アルカンの保持時間を基準とした相対的な指標値です。対象成分の保持時間を保持指標に変換し、データベース等に収録された保持指標値と比較することで定性分析します。
msFineAnalysisシリーズでは、リテンションインデックスを用いることで定性分析結果をより絞り込むことが可能です。

リテンションインデックス作成画面
: n-アルカン混合物のGC/EIデータ

グループ分析では、指定した観測イオン (分子イオン、フラグメントイオン) もしくはニュートラルロスを含む成分の解析結果のみを抽出します。
フラグメントイオンやニュートラルロスの指定は、共通の部分構造を有している成分の解析に有効です。
また、分子イオンを指定すれば異性体の分析が可能です。グループ分析では、一度に最大5つのグループまで抽出することができます。

グループ分析機能解析画面
例えば、芳香族化合物に特徴的なフラグメントイオンC6H5の抽出や、塩素化合物に特徴的なCl脱離の抽出などにより、それらを含む化合物群の結果のみを素早く確認できます。

分子イオンの精密質量解析の結果、組成式候補が複数得られる場合があります。
そのような場合、同位体パターン解析を用いて組成式候補を絞り込むことが可能です。


フラグメントイオン組成式のカバー率から分子イオンの組成式候補を絞り込むことが可能です。さらにフラグメントイオンの組成演算結果は部分構造情報を有しているため、構造式の推定に活用することができます。

適用機種
msFineAnalysis
msFineAnalysis iQ
特記事項
msFineAnalysis
- 本製品には、MS-56210MP (メインプログラム) 及びMS-06023N20 (NIST20データベース) が必要です。
- 本製品は、Windows®10オペレーティングシステム (64bit版) がインストールされたPC上で動作します。
- 本製品には、1,920 × 1,080以上の画面解像度のモニターが必要です。
- 本製品の動作には、MS-57046PCJと同等以上の性能のPCを推奨しています。
msFineAnalysis iQ
- 本製品は、MS-06023N20 (NIST20データベース) が必要です。
- 本製品は、Windows®10オペレーティングシステム (64bit版) がインストールされたPC上で動作します。
- 本製品には、1,920×1,080以上の画面解像度のモニターが必要です。
- 本製品の動作には、MS-67078PCJと同等以上の性能のPCを推奨しています。
- 本製品は、MS-66060MPR (メインプログラム) のScanデータ、SIM / ScanモードのScanデータとMS-66090MPR (メインプログラム) のシングルQモードのScanデータ、シングルQモード / SIM / ScanのScanデータ、SRM / ScanモードのScanデータに対応したプログラムです。
脚注: Windows は米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。