NMRとは、Nuclear Magnetic Resonance(核磁気共鳴)の略で、NMR装置とは、原子核を磁場の中に入れて核スピンの共鳴現象を観測することで、物質の分子構造を原子レベルで解析するための装置です。

分子構造を原子核レベルで解析する分析装置としては、他に電子顕微鏡やX線回折装置がありますがNMR装置は測定試料を非破壊で分析できる特長があります。
また測定試料の前処理も他の分析装置に比べ少なくて済むという利点があります。

その応用分野は製薬・バイオ・食品・化学だけでなく、目覚しいスピードで開発・改良が進んでいる有機EL や電池フィルムなどの新しい分野にも活用されており、最先端の科学技術分野で欠かせない分析装置となっています。

NMR装置の構造

NMR装置の構造

核磁気共鳴(NMR)の原理

磁気モーメントを持った核(水素核1H、炭素核13Cなど)を強い磁場に置くと、地球ゴマのように歳差運動を始める。

NMRスペクトル
エタノールの水素核NMRスペクトル

NMRスペクトルから分かること

  • 化学シフト:原子団の化学種に関する情報
  • スピン―スピン結合定数:隣接原子の情報
  • 緩和時間:動的な情報
  • 信号強度:組成比、混合比など量に関する情報
NMRスペクトルから分かること

NMRの応用分野

分子構造の解析及び未知の化学物質の同定

分子構造の解析及び未知の化学物質の同定

有機化学、無機化学、生化学、製薬、新素材、石油化学など非常に広範囲

定量分析

定量分析

高分子化学、合成化学品質管理、食品化学

混合物分析

混合物分析

食品化学、生化学、生理学

ダイナミクス(化学反応速度、結合部位の特定、相互作用)

ダイナミクス(化学反応速度、結合部位の特定、相互作用)

有機化学、無機化学、生化学

緩和時間(分子運動性、核間距離)

緩和時間(分子運動性、核間距離)

有機化学、高分子化学

拡散係数(分子量、多量体の確認、制限空間の評価)

拡散係数(分子量、多量体の確認、制限空間の評価)

有機化学、無機化学、生化学、製薬、新素材、石油化学など非常に広範囲