粘性の高い液体試料や付着性のある固体試料用。サンプリングに要する時間を短縮。180 mmタイプは温度可変装置にも適用。
特長
ESR測定に最適な試料管の選択
ESR測定には、標準的に外径5 mm、内径4 mmの石英製試料管が使用されます。弊社では極低温用温度可変装置などをセットした状態でも共通で使用できるよう、長さは250~300 mmのものをご用意しています。一方で、室温のみの測定を実施されるユーザー用に長さ100 mmのセルもご提供しております。しかし、高粘度の液状試料や相互に付着しやすい微粉末試料、静電気を帯びやすい試料などは、長い試料管に挿入するのが容易ではない場合があります。ほとんどの場合、試料管の底に高さ40mm以下となるように試料を入れて行います。いうまでもなくこうした試料は サンプリングに時間がかかります。
また、従来の100 mm試料管では試料を高さ40 mmとなるように入れると、ホルダー位置が試料管キャップと干渉してハンドリングがしにくくなる、という欠点がありました。そこで、極低温測定以外のケースで比較的容易にサンプリングできるように、長さの異なる試料管のご提供を開始しました。
長さの異なる試料管
新たな規格の試料管(図1参照)
Part No. 781206995 : 長さ115mm
Part No. 781206987 : 長さ180mm
180mmタイプは液体窒素仕様の温度可変装置に適用可能です。
115mmタイプは、キャビティにアタッチメントをセットされていない状態での測定に使用できます。
共通で使用できる専用キャップもありますのでお問い合わせください。
図1 外径5mm ストレート型試料管のラインナップ
左より長さ 115 mm, 180 mm, 100 mm, 250 mm, 300 mm
試料の具体的例
粘性の高い食用油、工業用油
薄いフィルムのように内壁に付着しやすい試料
小麦粉、片栗粉のような吸湿しやすい穀物粉
タルク粉のように相互に付着しやすい微粉末
味噌のように小塊を作りやすい試料
樹脂の破砕片のように静電気を帯びやすい試料
静電気を帯びやすい粉体試薬
使用例
サンプリングの所要時間の比較例を図2 に示しました。
左端は高さのReference とした水、中央が115 mm 試料管、右端が300 mm 試料管です。綿実油 0.2 ml を注入後 3.5 分後に、115 mmのものは全量が試料管底部に到達しましたが、300 mm のものでは約半分でした。300 mm のものに全量が到達したのは約16 分後でした。
図2 綿実油0.2ml を導入後3分半後の試料状態
仕様・オプション
長さ | 115 mm, 180 mm |
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外径 | 5 mm |