エネルギー分散型X線分析装置
EDS for JEOL SEM
エネルギー分散型X線分析装置 (Energy Dispersive X-ray Spectrometer:EDS) は電子顕微鏡にアタッチメントとして装着し、電子線照射により試料から発生した特性X線を検出して元素分析を行う装置です。

JEOLは自社製のEDSと電子顕微鏡を合わせ持つ唯一のメーカーです。
SEMの各モデル専用にJEOLが開発したEDSを提供しています。
SEMの操作画面と完全に統合しており、SEMの操作中にも常に観察画面からダイレクトに分析が可能です。
装置画像はJSM-IT210用のEDSです。
特長
SEMと統合されたシンプル操作アイコン
SEM観察中も常にEDSスペクトル (Live Analysis) や元素マップ (Live Map) を表示可能です。
画像と動画はJCM-7000 NeoScope™ 卓上走査電子顕微鏡の例です。
元素マップから合金層を自動作成!簡単&便利な相分析
元素のみの分布表示から化合物表示へ!
2種類の相分析 (ClusterとVCA) で視覚的な表示もおまかせ!
相分析(赤枠)はマップデータよりボタン一つで自動で相分離を行います。
Cluster相分析…同一化合物を同一カラーで表示。
VCA相分析…化合物に濃淡コントラストが表示されたもの (成分の多い / 少ないが表示される)。
基本は自動ですが、手動でも相数を設定できます。
反射電子組成像

Cluster相分析モード

元素の変化や試料変形を見逃さない!プレイバックでEDSの経時変化を記録
使用事例①
SEM内での加熱/冷却などによる形状/元素分布変化 (In-situ観察) に便利!
消しゴム表面をEDS元素マップ取得後プレイバック分析で動画化 (140倍速)
これにより、砂消しゴム表面が電子線によって変形し、元素分布も変わっていく様子を捉えた。
使用事例②
元素マップ中に試料が変形した場合、本機能で変形前のデータのみを抽出して提出できる!
使用事例③
元素マップの積算回数の調整/見積もりに役立つ!
粒子数、サイズ、元素情報自動計測の強い味方!粒子解析

仕様・オプション
JEOL EDS共通仕様
検出器タイプ:SDD (液体窒素レス)
検出可能元素:Be~U
標準機能:定性分析、簡易定量分析、元素マップ、マップモンタージュ
オプション機能:相分析、プレイバック、粒子解析、他
JCM7000 | JSM-IT210 | JSM-IT510 JSM-IT710 |
JSM-810 | |
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受光面積 (mm2) | 30 | 30, 60 | 30, 60, 100 | 30, 60, 100 |
EDS複数装着 | ー | ー | 〇 (最大3本) | 〇 (最大3本) |
Gather-X検出器 | ー | ー | ー | 〇 (最大3本) |
※太字は各装置の標準仕様
インテグレートだからできる複数本挿しで凹凸試料も影なく、電子線ダメージに弱い試料もspeed up&ダメージレス!
