血液で病態をさぐる、現代医療に欠かせぬ臨床検査データ。

生化学自動分析装置は、血液や尿などの体液成分を検体とし、糖やコレステロール、タンパク、酵素などの各種成分の測定を行う装置です。 現在では、一般的な生化学項目だけでなく、免疫血清、腫瘍マーカー、凝固検査の一部の項目など幅広い分野の測定が可能で、検体検査の中では大きなウェイトを占めています。

現在わが国では、少子高齢化・医療費高騰などを背景に健康への意識は年々向上しています。 その中でも血液検査は、疾病の裏づけ、検診の手段としてだけでなく、近年では、病院に行かなくても健康管理ができるよう、自宅で血液を自己採取し、郵送して検査データを得るという、個人が気軽に血液検査ができるシステムも登場しています。 このように血液検査が汎用化し、身近となっている現在、検査機関にとって大きな役割を担っているのが、生化学自動分析装置です。

JEOLの生化学自動分析装置は、採取した検体を希釈するという独自の手法で、検体量の微量化・試薬の少量化を実現しました。 これにより患者さんの負担軽減、ランニングコストの低減に貢献しています。

医療機関が抱える医療財政への対応、診療前検査の普及、チーム医療推進に伴い拡大する検査業務の効率化等のニーズに応えるため、BioMajesty™は進化し続けます。

JCA-BM6070 自動分析装置 BioMajesty™

血液が語るあなたの健康

たとえば、腎臓の機能を調べる場合、血中の尿素窒素やクレアチニンといった物質の濃度を調べて判断します。これらの血中濃度がある濃度以上あることが判明すると、「あなたの腎臓は、弱っている疑いがあります。」と医師からコメントが出されるでしょう。 さて、尿素は主要な栄養素の一つであるタンパク質が体内で代謝して残った終産物です。この尿素は、本来ならば腎臓でろ過され、尿となって排泄されますが、腎臓が正常に機能しなくなると、ろ過しきれずに血中に溜まるため血液中の尿素窒素の値が高くなります。一方、クレアチニンは人間が体の筋肉を動かすと必ず出てくるカス(終末代謝物)のようなものですが、これも元来は腎臓で吸収され排泄されています。ですから、こういった物質が血中に多くあるということは、腎臓の機能が弱っていることが疑われます。クレアチニンの場合の健康人データは、血清100ml(1dl)中に1.2mg(1.2g/1,000)程度が上限とされますので、これ以上の量が検出されると腎臓の機能が疑われてくるわけです。これは腎機能の場合ですが、この他に血中のトランスアミナーゼ(ASTまたはGOT、ALTまたはGPT)、コレステロール、ビリルビン濃度によって知る肝機能、血糖(Glu)濃度および糖化ヘモグロビンA1c分画率(%で表示)によって知る糖尿病等、血中のさまざまな物質の濃度は、いろいろな病態を実によく物語ってくれます。今日の医学においては、診断の際このような検査データが必ず要求されてきています。この領域を臨床検査の中では生化学検査といっています。

色の変化で物質の種類と量を知る

比色分析法とその測定原理

当社の製品であるBioMajesty™は生化学検査を行う自動分析装置であり、100種類以上の血中成分の分析を行います。その測定原理は次のようなものです。

理科の実験でやったヨウ素でんぷん反応を思い出してください。でんぷんの溶液にヨウドチンキを添加するとパッと青色に着色します。でんぶんの存在はこのようにして確認できるわけです。さらにこの着色物に唾液を添加すると色が消えていきます。これは唾液に含まれているアミラーゼという酵素の働きで、でんぷんが分解されるためです。生化学自動分析装置はこのような反応を利用して、血清中の特定物質の量を色の変化量に直して測定します。色の変化量を測定して行う分析法を比色分析法と呼びます。この比色分析法の起りは古く、はじめは肉眼で色の濃淡を判断するところから始まりました。これは錬金術の時代から用いられていた方法です。 古くは検査技師の手と目(もしくは分光光度計)で行われてきた一連の操作プロセスを自動化したものが、生化学自動分析装置です。

用手法の測定プロセス


BioMajesty™ の装置概要

さて上の図は、BioMajesty™の装置概要を示したものです。

BioMajesty™のサンプルには、前に述べたように、血液中の血清と呼ばれる薄黄色の液体部分や尿を使います。 これを一定量(通常30マイクロリットル)を希釈ピペットで正確に取って、希釈ディスクで5倍に希釈します。測定可能サンプルとして150マイクロリットル(μL)になります。この希釈サンプルから1項目当たり2~25マイクロリットル(目薬の1滴は40マイクロリットル程度)を正確に取って中央の回転反応器の反応セル(あらかじめ試薬ターンテーブル1の試薬ボトルから試薬ピペット1によって試薬が入った反応セル)に移して37℃で反応を起こさせます。1種類の試薬でうまく発色反応に持ち込めない場合は2種類あるいは3種類の試薬を加えることがあります(試薬ターンテーブル2)。一定時間(通常10分)の反応後、比色計で色の濃淡を測定(図中(多波長光度計))します。比色計とは、光を測定物に当てて通過させ、その透過光量を電気的に検出する測定器です。測定されたデータは、A/D 変換器(アナログ→デジタル変換器)によって数値化され、CPUで演算し結果が出力されます。 BioMajesty™は、サンプル及び試薬の分注性能が高く、ピペットの外側の洗浄機構、反応セルの無残水対策で残水が極力おさえられ、精度よい測定値を得ることができます。

生化学自動分析装置 使用の実例

BioMajesty™は反応液量の超微量化と超高速処理を実現した、臨床検査に貢献する生化学自動分析装置です

小・中規模病院および検査センター(患者検体分析専門の民間の会社)、大学病院などの大規模病院に納入されています。超微量測定の機能を生かして免疫、腫瘍マーカー、薬物、感染症マーカー等の検査項目の開発、そして小動物実験による創薬の開発など、ますます私達の医療への貢献が期待されています。

BioMajesty(TM) 使用の実例1 BioMajesty(TM) 使用の実例2
協力:北里大学病院 臨床検査部